2013年5月26日(日)私は試験勉強のため行くことが出来なかったラグーナ蒲郡のビンテージバイクフェアで、ある事が起こっていました。何とStageに度々登場のサンタマリア★りきさんが参加されていたのです。Stage235昨年12月の腰上OHの後、クラッチが接続出来ず、もう一歩のところで走れない状態が続いている事はBBSに書き込み頂いていました。それ以来どうなっていたのか誰も解らなかったのです。
実はその後、彼は地元でバイク屋さんを探し、クラッチ調整、BRC製新品ハーネスへの交換、オートマジック製バックステップ装着と、着々とカスタムは続いていたのです。そして5月26日(日)満を持して三ヶ日からラグーナ蒲郡までの走行・・。しかし、帰り道、家の手前4キロでエンジンが完全にストップしてしまい、セルも廻らず、家まで4キロの道のりを押して帰ることに。
実際にZ400FXを購入してから9ヶ月以上経過し、まだ200キロもろくに走れていないことから、何とこのバイクの購入元とトラブルに発展していきました。Stage232に記載されている購入に至る経緯。皆でOHした経緯。そして未だ走れない現実。様々な事が蓄積されて行く。
思い返せば私も購入後様々なトラブルに見舞われた。でも購入したのはいなべ市だったし、購入したのは出逢いだし、ひとつの縁だし、その後伊勢のバイク屋さんに出したからには、そこでとことん走れるまで修理をした。旧車乗りにとってはその選択が普通かもしれない。でも世の中には様々な考え方がある。
私が出した伊勢のバイク屋さんは20歳からお世話になったバイク屋さん。当時確かに「まっちゃんえらいもん買ったなぁ」と言われました。Stage005にあるように、キャブのOH、タンク内面コート、ポイント一式、ワイヤ類、一式新品交換で10万円の請求を見たとき倒れそうになりましたが、でもこれも愛姫ちゃんとめぐりあった縁だと思って購入元の事は考えなかった。
彼の場合は私のような御用達のバイク屋さんがなかった。そして必死で探して見つけた経緯もあるからなお、いらだちも蓄積されたことと思う。でも、何故、トラブルになる前に私に相談頂けなかったのか、とても残念に思いました。今回のジャッジは甲乙つけがたい。ただ出来る事は現状を確認して見てみることしかないと思いました。
サンタマリア★りきさんとお話をしました。一度見せて欲しい、どこが悪いのか実際に見てみたいとお話しました。そして承諾を得ました。サンタマリア★リきさんのマシンを我が家に連れてきて、1ヶ月程自分なりに見てみようと決意しました。
でも私のガレージには1台しか入らない。早速、りゅうにいさんに私の愛姫ちゃんを1ヶ月預かって欲しいと相談しました。ツバメちゃんが巣をつくっているけれど大丈夫よ〜!とお返事頂きました。本当に嬉しかった。
けれども私も昨年12月、Stage235の際、腰をやってしまい体が非常にきつい状況でした。Stage始まって以来の購入元とのトラブル、そして腰痛、そして置き場所、バイクは治る保障もない、最悪の状況を考え続けました。でも何かしらしないと前に進まない。決行日は6月16日(日)に決めました。
6月16日に向けて、車の手配をしました。いつもの嫁さんのお父さんの会社のパワーゲート車を調達。ところが腰が痛くて一人で載せたり降ろしたり出来ない。この現状を神奈川の岩崎さんにお話ししました。

「私も気になっていたんです。当日行きましょう。」

神奈川から三ヶ日まで片道200キロ。本当に申し訳ない事と思いました。本当に嬉しかった。

当日は岩崎さんと三ヶ日インターで9:30分に待ち合わせをしました。
2013年6月16日6:13 バイク引き上げ日当日。この日も最悪の事を考えていました。嫁さんのお父さんの会社に向かい、パワーゲート車を取りに伺いました。
6:25 いよいよボンゴで一志嬉野インターに向かいました。6月にもなると朝から日差しがきつくて。
6:41 伊勢自動車道を北上。何だか天気が悪そう。この時まぁ★さんから、浜松は雨が降っているとメール頂きました。
7:08 湾岸入口へ。

だんだん晴れてきました。バイク日和やなぁ。
7:29 伊勢湾岸道をひた走る。
8:13 音羽蒲郡を通過。
8:38 三ケ日に着きました。

一時間も早く着いちゃったなぁ。
ここで30分程、時間をつぶしました。昨年12月は皆さんでこの場所で待ち合わせた。サンタマリア★りきさんのマシンを治したい一心で集まったのに、どうしてこんな事になっちゃったんだろうと、寂しくなりました。
9:13 岩崎さん登場!神奈川から片道200キロの道のりを駆けつけてきてくれたのです。

「おおぉ〜岩崎さん。お疲れちゃん!」

「まっちゃん!顔がヤツレてるよ〜。」

「あまり寝ていないしね。ちょっと憂鬱な内容だけにね。」
「まっちゃん、今日はどんな段取りなの?」

「不動のリキ号、積んで帰ります。途中、イトウ君のガレージに寄りますけども。」

「あまり、時間がないね、急ぎましょうよ。」

「ちょっと早いけど、サンタマリア★りきさんに電話してみます。」
「サンタマリア★りきさん、おはようございます。」

「あー松崎さん、それが想定外の事が起きちゃって・・。」

「どうしたの?」

「不動のはずが、セルも廻って一発でエンジンかかっちゃったんです。」

「そうなの?まぁ、行きますわ。」
「まっちゃん、どうしたの?」

「彼のガレージでは想定外の事が起きているらしい。セルも廻ってエンジンかかっちゃったみたい。」

「不動じゃなかったの?」

「やっぱり見てみないと解らないなぁ。行きましょう。」

こうして彼のガレージまで走りました。
9:51 サンタマリア★りきさんのガレージに到着。

「おはよう。エンジンかかったの?」

「はい・・。」

押しがけでエンジンはかかる。バッテリーは新品なのに、セルを廻す力が無い。かかってもアイドリングが一定せず、すぐに止まってしまう。吹かすと吹ける。どう見てもこれは電装が怪しい。
「まっちゃん、積む前に電圧図りましょう。」

「岩崎さんも電圧とみましたか。」

「多分ね。」

テスターで電圧を計測。

「11.3ボルトしか無いがな!」
「岩崎さん、オルタネーターかなぁ?」

「まっちゃん、これだっ!」

「クラッチカバーに、オルタネータの線、思いっきり喰い込んで、噛んでるやん!しかも配線めくれてるやん!しかも両方めくれてるやん!」

「これでは交流がレギュレーターまで届かないよ〜。」
写真は線をクラッチカバーから噛んだ配線を外したところ。思いっきり締まってるから、皮がめくれて、あわや断線しそうな勢い。つまり交流発電するところから直流変換するレギュレーターまで行く間に、クラッチカバーに交流電圧が漏れていたと言うこと。
三ヶ日から蒲郡まで行けたのは、新品バッテリーだけにバッテリーの元気な間は元気良く走っても、供給が足りないからバッテリーがどんどん弱まって言ったのでしょう。最後にバッテリーの力が無くなり、家の4キロ手前でうんともすんとも動かなくなったというのが正解かな。

クラッチカバーを締める際、オルタネーターの配線をかましてしまうことは、Z400FX乗りなら、皆、誰しも経験するところ。腰下にこんな秘密があったなんて。百聞は一見にしかずです。やっぱり見てみないと解らないものです。
「まっちゃん!この状態でエンジンかけてみて!」

「はいな。」

フォーーーーーーーーーーーーーーーーーン!

「電圧14.0。ここで間違いないな。」
「ワシ、チョット走って来るわ。」

フォーーーーーーーーーーーーーーーーーン!
シュゴゴゴゴーッ!
フォーーーーーーーーーーーーーーーーーン!
シュゴゴゴゴーッ!

エンジンレスポンス抜群。400こんに走るかね・・。CRだしね。みんなで苦労して組んだ、スペシャルエンジンだしね。
この日の三ケ日の景色は最高でした・・。街行く人皆、見てくるし(爆)10分程度走っただけで、新品バッテリーがビンビンになるのは当たり前。何度エンジンをかけても、セルはとても元気良く廻るし、エンジンも一発でかかるようになった。エンジンの音を確認したけれど、今までいろんなZ400FXエンジンの音を聞いてきたけれど、最高に静かだった。カムチェーンの音もしないし、クランクもぺペローションでコク位、スムーズなのである。
それから40分程、3人でお話しました。彼もトラブルになってしまったこと、随分反省していました。まだまだこのバイクについて勉強不足の部分もあるでしょうし・・。でも最初はみんなそう。私もそうでした。旧車に乗る事はいつも沢山のリスクを抱えるというもの。

「りきさん、じゃぁ私たち、そろそろ行きますね。また一緒に走りましょうね。」

こうしてサンタマリア★りきさんとお別れしました。
11:34 三ヶ日インター近くのラーメン屋さんで岩崎さんと昼食を。

「岩崎さん、お疲れさま。」

「まっちゃんも、お疲れ〜。でも治って良かったですね。」

「いやぁ、本来ならバイク積んでいたところ。あの場所で治って良かった。岩崎さんには何度も助けて頂いてますね。本当に感謝申し上げたい。」

「いや、私はいいんですよ。気になってた事だし。でも治ってよかった〜。」
岩崎さんとは三ヶ日インター出口でお別れしました。

13:21 伊勢湾岸道。帰り道、いろんな事を考えながら帰りました。トラブルは回避されました。それだけでも良かった。今回の件は正直心身ともフラフラになりました。

また一緒に走れるといいね。
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