リアタイヤ180への道は其の8を迎えます。いよいよパーツも揃い、今、出来る事はそれらのパーツの適合性を確認すること、スイングアーム溶接の段取りを行う事でした。

2014年8月15日11:12 この日は解体屋ジョージ君のお店に寄り、その後yuli-teckさんちに向かう事にしました。

ジョージ君のお店は相変わらずたくさんのマシンが。
遠くはるばる、西ドイツからやってきたZ400GP。ジョージ君曰く、後ろディスクのは西ドイツしかないらしいのです。その他はドラム。これまた凄い情報をお持ちです。こんなのここで買いていいのかな(爆)
何度も書きますが、私が18歳〜20歳まで乗っていた青春時代のマシンであるZ400GP。このマシンを見る度に若かりし日を思い出します。このマシンを2004年stage001に見ていたら即買っていたでしょう。2002年から2004年までに2年間必死で探したマシンが今ここにあるのです。これが不思議なのです。
26年振りに見たZ400GPのノーマルミラー。これもありの様な気がします。ここだけの話、最終のStageはZ400FXをZ400GPにしました・・で終わろうと思っています。
それ位Z400GPが好きなんですよね・・。今まで蓄積した10年間のノウハウがあれば、フレームと外装とキスアームと電装さえあれば行ける。素晴らしい課題を持って。
Z550GPもヨーロッパから、入荷してございました・・。Z400FXの形をしたZ550GPね。Stage045にも書きましたが、いわゆるZ400FX系、最強エンジン(58PS)を積んでいるというもの。
車体、エンジン、外装・とても貴重なマシン。Z400FX自体が国内オンリーだったとしたら。こうして海外のマシンがまだ存在するという事で、ある程度の血の循環は行われているのでしょう。そう考えると、Z400FXというマシンの奥の深さを感じます。
こちらもヨーロッパから仕入れたFX。しかしリアはディスクになっています。
タンクの外周にメッキモールテープ・・。こういう日本独自の文化が海外に存在するなんて。でもカッコいい・・。
ブラック塗装にホワイト足廻り。このカスタムもZ400FXミーティングで結構よく見かけますね。こういうセンスはとても共感を覚えますね。
こちらは外装マッドブラック仕様。ヨーロッパではやんちゃブラックって言うらしいです。
解体屋ジョージ君の情報によると、ヨーロッパでもZ400FX系は、かなり玉数が少なくなってきているとのこと・・。益々値段が上がっていくという世界になっていく訳ですから、Z400FXオーナーとしてはどう捉えるべきか。10年後を考えた時、Z400FXミーティングの世界も変わっていくのかも知れないですね。
12:13 そしてこの日Yu-Ki★Teckさんにお伺いする事が出来ました。
この日のこのお時間は、ちょうど、ナオちゃんのZX-14Rのチタンサイレンサーを焼いて色付けしておみえでした。
最初は薄い茶色に。
やがて、深い紫色になって行きました。
次は水色に・・。

私の愛姫ちゃんは、まだチタン比率0%ですが(爆)もしもこの先お小遣いが溜まって、チタンをお願いするなら、深い紫色シリーズかなぁ(爆)
あぶれば色が七変化するチタンって、本当に凄いなぁ・・と思いました。私は今まで削って、溶接して、装着出来るかどうかの世界で来ました。Yu-k★Teckさんにお伺いしてから、チタンの世界を知り、色まで問われる訳ですからね・・。これは本当に奥の深いお話だと思いました。
室内、屋外、光りの加減によっては、水色に見えたり、ピンクに見えたり。この世界こそチタンの世界なのでしょうね。いつの日か、あやかりたいと思いました。
12:54 左ZXR400キャリパーと、右はヤフオクで落としたZRX1200Sのキャリパー、二つを並べる。双方形は殆ど同じ。1989と2005年位、15年の歳月を経て、デザイン殆ど同じかいな。Kawasakiってとても素敵。
双方同じデザインであるけれど、ちょっとした違いも発見しました。ZXR400のキャリパーにはピストンにダストブーツは存在しましたが、
ZRX1200Sのキャリパーにはそんなものは存在しないのです。無駄を省いたという事でしょうかね。埃が入らないような仕組みになっているということ。
13:14 ZX-9RのホイールにZX-12Rの230ミリのディスクを装着しつつ、ZXR400のキャリパーを仮で装着してホイールを廻してみました。

ゴーリゴリ・・ゴーリゴリ・・ゴーリゴリ・・・!

何やこの音。何やゴーリゴリって・・。
「何やねん!これ〜っ!」

伊勢のまっちゃんに塗ってもらったZX-9Rホイール。ゴーリゴリっていう音は、なんとキャリパーがホイール内側を削る音だったのです。

「気づくの遅すぎた・・。またやってしまった。」
反泣きになりながら、ZXR400のキャリパーを削り始めました。
ゴーリゴリ・・ゴーリゴリ・・ゴーリゴリ・・・っ!

まだ当たるっ!
1.キャリパーを削る。

2.装着してみる。

この作業を繰り返していくうちに、伊勢のまっちゃんに塗ってもらったホイールはとんでもない姿になっていくのでした(涙)
結局、当たらないところまで、削り倒した結果、TOKICOの文字が半分消えてしまった・・。最初から解っていれば、ホイールを汚す事も無かったのです。今回のStageで一番、涙の出るところでした。
15:14 いよいよキャリパーサポートの位置決めに入ります。
こういう時、常に参考にするのがサカキバラさんのNinja。真下ではなくて、ちょっと後ろに振る。メッサカッコいい。これが理想形。
こういう理想形のマシンを参考に出来る事で、私のカスタムも洗練されていきます。トルクロッド受けは、この位置でという所に、マーカーで印をつけました。
15:23 この日のメインはこのスイングアーム(キスアーム)をきちんとすることでした。
17:04 平井さんにききながら、何とか形になって来ました。この2時間は本当に大変な作業でした。
溶接でフタをしていく訳ですからね。ちょっと気合を入れました。
17:22 スイングアームがこの状態で、改めてチェーンラインをチェックしました。横から見た感じは、とてもいい感じですね。
上から見た感じ。チェーンとタイヤの間隔は2ミリとなりました。
今回のカスタムの中で、一番重要なところだったのです。前はゼファー400純正スプロケをひっくり返し3ミリオフセット。リアはアキヤマ先生に7ミリ追い込んで頂いたZXR400のハブ。このメニューでご覧の通り、チェーンラインはピッタリ、かつ、チェーンとタイヤは2ミリのクリアランスを保つ事ができました。
フロントスプロケットをさらに外にオフセットすればこんな事で悩まずに済むでしょう。その代わり、フレームの内側を削らないといけない。要はそこまでして、太いタイヤを嵌めたいかということ・・。ノーマルスプロケで何とかしようとするところにMDS★WEBのポリシーがある。
大事なフレーム削ったら、200のタイヤでも楽勝でハマる。私はそんなブルジョアカスタムに全く興味はありません。
話を元に戻すと、ここはZXR400のチェーンカバーのステーが存在したところ。サンダーで削る間に見た目おかしくなってしまった。ここは平井さんにカッコよくしていただきましょう・・。

19:46 こうしてこの日の作業は終了しました。
2014年8月19日20:00 この日は仕事を終えてからyu-ki★Teckさんでアームの加工をしていただく事になりました。20:00平井さんは配達に出かけ、ガレージは真っ暗でした。20:10にガレージは開きました。
20:34 いよいよこの日の作業開始。
20:45 いよいよ待ちに待ったスイングアーム溶接のプロセスへ・・。

「松崎さん、ダンボールで型とりしてください。」

「はいな!」
21:06 切ってははめ、切ってははめの作業を繰り返していきました。相手はダンボールとは言えど、結構神経使う作業でした。
ぶっちゃけ、NHKの出来るかな?に似ている作業。相手はダンボールなのに、真剣に仕事帰りのサラリーマンが取り組んでいるという(爆)
21:09 「ヒライさん、こんなんでええのんかなぁ・・。やった事ないから解んないですっ・・。」

「上等ッスよ〜!うまい事出来ましたね。」
「でははじめましょうかぁ。」

「それを切るのですね!」

「そうです。これ松崎さんの在庫ですよ。アルミ合金5ミリ厚です。とても溶接し易いんですよ。先日のディスタンスカラーとは全く違うものなんですよ。」

「ワシの在庫かいな。税金とか大丈夫なんかいな。」
「この板に、ダンボールで取った型を転写していきます。」

「なるほどなぁ・・。」
「松崎さん、これだけ大きな板を購入して頂いて、使用するのこれだけなんですよね。勿体無かったですね。」

「この先、インナーフェンダーやオイルキャッチタンクも考えていました。とてもいい機会かと思います。」

「松崎さん、それいいですね〜。」
「こんな感じで上等でしょう。ここからが大変なんですよ。」

「大変なんですね。」

「はさみで切っていきます。これが結構大変なんです。」
プルルルルルルルルルルン!

「こうやって切っていきます。あとは松崎さんが切って行ってください。」
21:13 プルルルルルルルルルルン!

「平井さん、全く前に進みません(爆)」

「前に押し込むようにしないと進みません。頑張ってください。」
プルル・・・・ン・プルルッ!プル・・

全く前に進みません。エアーも尽きてきた。気力も尽きてきた(爆)
21:28 ようやく切り取る事が出来ました。
「平井さん、もうあかんわ。体力が持たない。」

「これでは大き過ぎます・・。サンダーでピッタリに合わせて下さい。でないと溶接が出来ないです。」

「マジかっ!」
21:43 「松崎さんが、サンダーでサイズを合わせている間に、サス受け、化粧溶接しておきますね!」

「お願いします!」

何が何か解らないまま、化粧溶接をお願いしました。
パンッ!パシーン・・・ジージジジジジ。

「出たっ!またこの音やっ!」

「松崎さん、早く削ってくださいね。」

「はいな!」
パンッ!パシーン・・・ジージジジジジ。

「おおぉ〜。綺麗に溶接してくれてるね〜っ!」

「松崎さん、早く削ってくださいね。」

「はいな!」
「松崎さん、サス受けの化粧溶接出来ましたよ。」

「おおおおおおお〜っ!メッサ綺麗ですやん!」
「これが化粧溶接の真髄ですね。とても綺麗でしょう。」

「メッサ綺麗!とても美しい!これがキスアームスペシャルやなぁ。」
「ZXR400のキスアームって、シルバー塗装の下にアルマイトがいるのです。このアルマイトが溶接の悪さをする。これさえなければもっと綺麗な溶接が可能なのですけどね。」

「いいですね〜。行きましょう。」
こうして、サス受けの溶接は横、前、後の溶接が丹念に行われていきました。
「松崎さん、出来ましたよ!」

「これはまた、凄く美しい溶接ですね。」
「なかなか、ここまでの溶接はないかと思いますよ。」

「おおぉ〜!ありがとう。」

「ところで、フタの調整は終わりましたか?」

「全然(爆)」
慌てて、寸法ピッタリに合わせました。体中アルミの粉だらけです。
21:47 キスアームの溶接が始まりました。

パンッ!パシーンッ!ジージジジジジジッ・・・・・。
しかし、職人さんというのはカッコいいね〜。私もサラリーマンですが、私はこんなにカッコよくないで〜。
パンッ!パシーンッ!ジージジジジジジッ・・・・・。

「松崎さん、このアルミ合金は溶接にもってこいなんですよ。」

「そうなんですか。」
パンッ!パシーンッ!ジージジジジジジッ・・・・・。

「くっつきやすいというか、溶接が綺麗に仕上がりますからね。」
「ZXR400のキスアームが、このようにイビツな形状になりました。でも、ありえない形状ほどカッコいいかもです。」

「そうですね。あんまり、こんなにエグっているの見ないですからね。」
「さて、いよいよ行きますよ〜。」

パンッ!パシーンッ!ジージジジジジジッ・・・・・。
パンッ!パシーンッ!ジージジジジジジッ・・・・・。

「板は大きい目に切った筈。けれども板自体が溶けていくのですね。」

「そうなんですよ。板は大きい目に切っていただきました。その端が溶けていくのです。溶けて溶接と同じ寸法になって行きます。よく気づきましたね。」
パンッ!パシーンッ!ジージジジジジジッ・・・・・。

左側の面がようやく終わろうとしていました。
「おおぉ〜。後ろの部分は殆ど出来ましたね〜。」

「そうですね。後は大きな作業が待っています。」
「この段差ですね。アルミの板をもう一度切りましょうか?」

「いえ、Zの文字を描いていく感じで、この1センチの段差を埋めて行くんですよ。」

「これだけの段差があるのに?」
21:57 いよいよ、本日溶接の架橋である、チェーンラインの内側の段差を埋める溶接が始まりました。
パンッ!パシーンッ!ジージジジジジジッ・・・・・。
パンッ!パシーンッ!ジージジジジジジッ・・・・・。

確かにZの文字を描いている。上下は結構な段差がある。けれども溶接でそれを埋めていくのです。
「そろそろ出来ましたね。いい感じに仕上がりました。」
「おおぉ〜っ!あれだけの上下の段差が綺麗に埋まっていますね。」
こうして、ZXR400キスアーム、オリジナル仕様は出来上がりました。
チェーンの通るところ。一番重要な箇所です。見事に溶接して戴きました。
後ろのフタの部分。これもとても綺麗に仕上げていただきました。
サス受け。本当に綺麗ね。嬉しいです。
トルクロッドの溶接も完璧に仕上げていただきました。
いよいよ車体に仮付け。
ZXR400のキスアームは見事に陥没しています。
仮でチェーンを通してみると、見事な位置でチェーンが通りました。
23:31 この日の作業を終えました。素晴らしいとしか言いようがなかった。この時間私のエネルギーはいつもの通り、残り2%となっていました。
こうして、リアタイヤ180への道は其の8を無事終了しました。今回のスイングアームの加工こそ、このStageのメインジョブでした。残すはブレーキのセッティング、チェーンカシメ、マフラー装着、その位になっていました。
Z400FX TOPへ  NEXT STAGE

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