2012年5月1日 3月3日に鈴鹿のプロショップにフロント足廻り改造をお願いしてもう2ヶ月が経過していました。残念ながらお店に行くとパーツは届いているけれど、まだ何も手がつけられていない様子でした。

5月20日に車検がやってくる。それまで何とかしますという大将の言葉を信じて、もうしばらく様子を見ることにしました。
話は前後しますが、2012年1月9日 Stage213でPOSHエンジンは走行400メートルで見事に散ってしまいました。フロント浮くくらいもの凄いパワーだったけど。

その後友人の協力を得て、Stage215でエンジンは復活しました。このエンジンもTMRとの相性もあり強力なPowerをもつ。
愛姫ちゃんがガレージから姿を消して2ヶ月。私に出来ることは前章と同じく、愛姫ちゃんがいないこの時間を利用して次なる手を打つことでした。
エンジンチューン。それは何年かかってもいいから、その先を見たいという私の夢でもあります。非常に長編になると思うけれど、ぼちぼち進めていこうと決意しました。
愛姫ちゃんのエンジンに搭載される次なるエンジンのプラン。私の中にはタカトリかワイセコが候補に挙がりました。
改めて400メートルしか走っていないのにこのPOSHピストンの焼けを再確認していました。

ボーリングなど自分で出来ないことはプロにお任せするけれど、基本自分で出来る事は自分ですると決めていました。

POWERは得られるけれど、ハイコンプで高圧縮な世界は私の情報力と私の力量では無理と判断しました。
次のエンジンチューンはワイセコに決めました。

実績もある。とてもいい素材と判断しました。

さてさて、試算を開始。
スリーブ1個9000円×4=36000円

スリーブ打ち換え1個5000円×4=20000円

(550シリンダならドロップイン・ボーリング無しでもいいのがあるみたい)
ピストン1個15000円×4=60000円

トータル10万円は超えそうね。

ふう・・。これは大変なプランになりそうね。
ベースとなるZ400FXのエンジンは既に入手していました。

ここで既に入手した素材は下の通り。

クランクケース Z400FX
ヘッド GPz400F
クランク ZFX系
コンロッド ZFX系
シリンダー ZGP系
ミッション ゼファー400
プライマリーギア Z550FX

これだけ既にあるからいいかな?という感じでした。
2012年5月1日 いよいよ重い腰をあげました。ベースエンジンの痛みは尋常ではない事に気づいていました。それでも清掃していよいよ作業開始。
クラッチカバーを外していきました。全てプラスネジなんですね。

相当Z400FXのノーマルの世界から外れていましたのでちょっと新鮮でした。
少し掃除をしましたけど、ケースはご覧の通り。塗装のはげが尋常ではない。
とりあえず、クラッチを全て外しました。クラッチ版はかなり綺麗。まだまだ使用できる範囲でした。このマシン、あまり走っていなかったのかも知れませんね。
2012年5月6日 いよいよベースエンジンをひっくり返しました。

オイルパンを外す際、ネジが折れる折れる。非常に危ない状況が続きました。

その後ボルト類を全て外していきました。
クランクケースを分割する際に異変に気づいていました。

逆さ向けているからジェネレータ側、左側の方は開けることが出来るけれど、ポイント側のケースがどうしても開かない。
ポイントカバー側をよく見てみると何だかくっついている。

ひょっとして・・。
あいたたたたた。溶接か〜い。
これは誤算だった。しかしこんなところ溶接するかな〜。
19:45に柴ちゃんとマサさんが我が家に遊びにやってきました。

「マサさん〜!ええところに!」

「どうしたんですか?」

「これなんですよ〜。えらいところで繋がってるしな〜。」

「これはイトノコか何かで切ってのちに溶接もってからまた綺麗に削るしかないですね。」
「イトノコはいっ!是非お願いします(爆)」

「えっ!」

お茶する間もなく早速作業開始っ!

マサさんちは我が家から140キロ。柴ちゃん85キロ。遠くからお越しなのに作業させてるし〜。何だか悪いな〜。

「まっちゃん切れましたよ。開けてみて。」

カパァ・・・。
「開いたっ・・マサさん、ありがとう。」

「ポイントカバーの所なので、油圧かからないところだし、何とかなりそうね。」

「そうね、何とかなりそう。これで何とかクランクケースの洗浄まで行けますわ。本当にありがとう。」

ということでこの日の作業は遠くからお越し頂いた客人にして頂いたという・。
ケースが開いた事でプランは一気に広がりました。

1.とりあえずGSのスチーマーで洗浄
2.溶接盛りお願い
3.削り合わせ
4.折れたボルト抜き(2箇所)と割れたネジ山修正(2箇所)
5.ゼファー400ポイント装着加工(削り)
6.ブラスト(多分しない)
7.塗装
8.ゼファー400エンジン割り
9.足りないパーツ揃え
10.腰下組み付け
11.ボーリング
12.スリーブ打ち換え
13.シリンダ&ピストン装着(塗装も悩んでいる)
14.GPz400Fヘッド装着(バルブ抜くかどうか悩んでいる)

こうしてプランを書いてみて、ワイセコへの道の長さを実感していました。
5月13日資金繰りのため、外したZ400FXノーマルクランクを出品しました。

6000円で売れました。これは大きい。
同日Z400FXノーマルピストンも出品。

710円で売れました。
でもZ400FXノーマルミッションは100円でも売れず。確かにこういうの使い道ないからなぁ・・。近くの鉄屋さんに持っていった方が高値がつきそうね。

私は普通のサラリーマンですから、こうしたことを地道にしないと次に進めないんですよね。まぁ、それが楽しいのですけど。
2012年5月13日 柴ちゃんからZ400FXクランクケースヤフオクに出てるよ〜って教えていただきました。
いくらまで上がるか解らないけれど、僕の今のケースは溶接しなおさないといけないし、ボルト折れてるの抜かないといけないからこれをチョイスするのもいいと思いました。

でもZ400FXのクランクケースの価値はあると思いますから多分2万円は行くと思いました。

今のケースは溶接修復や、ゼファー400のパルシングローター装着の為の加工もしなければならない。そして折れたボルト抜きも。どちらのケースにするか随分悩みましたが、一度こいつと行こうと決めた今のケースで進めることにしました。
この日は朝からケースを洗浄するためGSまで行ってきました。
Z400FXクランクケース出してたら、監視カメラかな?店員さん慌てて出てきました。

「お客さん、車以外はNGなんですよ!」

「だったら軽トラックに載せて車ごと洗ったらいいの?」

「う〜ん・・そうですね・・・・OKです。」

俺は室町時代改め、平成の一休さんかっ!
500円入れる。5分の洗浄。

ブイーーーーン!プッシャァァァァァ〜!!!

スチームいいね〜!

メッサ汚いクランクケースはメッサピッカピカになっていきました。

調子こいて500コース2回しましたから1000円も払ってしまった。
家について改めて見てみると、ガスケットとか全て無くなっていました。

まぁ、1000円の価値はあるかな?
2012年5月14日 この日はフサイン抜きに会社終わってから伊勢のまっちゃんのところまでエンジン運んでお伺いしました。

これは洗浄前の写真ですけど、
まずはこの位置と。
この位置・・。

これが抜けるまでとても憂鬱だったんだな〜。

「まっちゃん、毎度です。」

「まっちゃん、ところで車検まであと一週間やん、まだフロント出来ないの?」

「う〜ん・・・どうやら何やいろいろ忙しいみたい。」

「そうなんや・・。まっちゃんもいろいろ大変やな〜。」
「まぁ、仕方のない事ね。まっちゃん、これ抜けるかなぁ?」

「うん、抜けるよ。」

伊勢のまっちゃんも忙しいのに、快く承諾していただきました。

ジ・・・・・ジジジッ!なんとナットをはめて、そのまま溶接してクルリ・・。

す・・・すげーっ!これは多分、板金屋さんのプロの技術とみた。凄いとしか言いようが無い。
2箇所目・・。

ジ・・・・・ジジジッ!クルリ・・。

「これでいいっスかね〜。」

「スゲーっ・・!まっちゃん溶接出来るんやな〜。」

「まっちゃん、一応ボク板金屋やでなっ!」

こうして、抜けなかったボルトも全て抜いて頂いたのです。非常に嬉しい出来事でした。素晴らしい技術に秀樹★感激!
2012年5月18日 鈴鹿のプロショップにお伺いしました。まだ何も変化はありませんでした。車検があと2日に迫っていました。

車検は諦めました。土木建築の仕事は納期が全て。それは私の普段のお仕事もそう。でも、バイク屋さんはちょっと違う。いつですか〜?この日まで、でもその日を普通に通過しちゃうのです。そのお店そのお店で事情はある。私は何も言えなかったし、何も出来なかった。

乗れる状態で車検を受けることをこの時点で諦めました。

これは仕方の無いことでした。
車検前日。伊勢のYS精機さんに電話をしました。

「大将、お久しぶりです。」

「あー松崎さん。どうされたのです?」

「実はクランクケースの溶接をお願いしたくてお電話させて頂きました。クランクケースの上下が溶接されてて、イトノコで切断しました。その切断したところをもう一度肉盛り溶接して、しっかり上下が合わさるようにしたいのです。お願い出来ますでしょうか?」
「クランクケースだからアルミですね。ウチも溶接は出来るけれど、どちらかというと削り、成形するのが得意な分野なんです。とても細やかで、正確な溶接が必要。それをしてくれる所があるんです。紹介しますよ。私たちもそこにお世話になっているから、電話してみてください。きっといい結果が待っていることでしょう。そこは、鈴鹿のアートエンジニアリングさんというところ。電話番号をお伝えします。一度ご相談してみてください。」

「ありがとうございます。」

早速電話してみました。
http://artengineering.web.fc2.com/sub1.htm

Art ENGINEERING 〒513-0836三重重県鈴鹿市国府町7678-34 TEL/FAX059-367-1272
早速電話してみました。

「大将はじめまして。松崎と申します。」

「YS精機さんからお電話頂いています。明日持ってきてください。」

「ありがとうございます。」
2012年5月19日 車検前日にアートエンジニアリングさんの門を叩きました。お店の中は写真にはありませんが、旧車、そして昔の車がずらりと。もの凄い工場である事は直感ですぐにわかりました。

「松崎さん、クランクケースをここへ。」

「大将コレなんです。」
「ポイント側で良かったですね。クランクケース内の圧がかからない所。これはラッキーでしたね。」

「そ・そうなんですか。」

「ジェネレーター側ならお断りしてたかもしれない。でもここなら走りに影響ありませんからね。」

「そうですか。良かったです。」
「一週間お時間頂戴いたします。来週お電話ください。きっとうまく行くと思います。」

「ありがとうございました。」

「いえいえ。」

「大将、あと、ゼファー400のパルシングローターを装着するために、ポイントの掘削加工と、この割れたビス穴も修復可能でしょうか?」
「これの事ですか?大丈夫ですよ。溶接して穴をもめば済みます。」

「ありがとうございました!」

こうしてアートエンジニアリングさんをあとにしました。
同日、調子こいて、ヤフオクでZ400FXノーマルポイントカバーを3900円で落札しました。
2012年5月27日 遂に車検満了日を越えました。これは長丁場になりそうだ。でもアートエンジニアリングさんにお電話して、出来上がりの朗報を聞き、そんな納期遅れの件はどうでもよくなりました(悲)

お願いしたのはケースの肉盛りと平面削り加工と、ゼファー400ピックアップセンサー装着の為のザグり加工。
「松崎さんこれでよろしいでしょうか?」

「もう、既にオシッコちびってます。」
「こちらがケース上側になります。」

「ありがとうございます。」
「こちらがケース下側。実はね、ケースにくっつけるという、過酷な接温度の関係で若干の巣が出来てしまったんです。でもケースの内圧がかからない所だしご勘弁頂きたい所なんですよね。」

「全く問題ございません。」
「ボルトの穴の割れていたところも、修復しておきました。」

「ありがとうございました!」

プライスは秘密です。でも、ヤフオクでZ400FXのケースを購入するよりかはかなりお安くして頂きました。
ゼファー400のパルシングローターを装着するためのケースザグリング加工も完璧・・。

ラパイドさんに続いて二回目の加工となりました。もはや私にはZ400FX系の電装は考えられなかったのです。
何度見てもピッタリなケース。
先日落としたポイントカバーを早速装着。素晴らしい。いいお仕事していただきました。

さてさて、次は塗装です。

マスキングするのいやや〜。
2012年5月30日 車検満了日から10日が経過していました。そんな暗いニュースを忘れて、Z400GPのヘッドカバーを1600円で落札しました。

これ収縮塗装と呼ばれるもの。なかなか塗り直しも効かないだろうし、程度のいいものをゲット。
2012年6月13日 車検満了日から2週間が経過していました。次なるは塗装プロセスです。

アートエンジニアリングさんでクランクケースの修復をしていただいてより一週間、マスキングにあけくれました。
正直、心折れました。私、マスキング性格に合いません。

この一週間、伊勢のまっちゃんを尊敬しました。

これが仕事だなんて、ありえない。
夕方は蚊が増えてくるから、塗装は午前中にしようと決めていたのに、しっかり塗装は16:04から開始(爆)

オキツモ半ツヤ黒耐熱スプレー。

ネットで3本用意しました。何本必要なのでしょうね。

余ったオキツモ缶でモリワキショート管も塗りたい。だからせめて2本で収まってほしいと願いました。
さてさてここで疑問発生。

2008年9月にミツトモさんにエンジン塗装頂いた時はエンジン丸ごと塗装だったので、クランクケースのビスはそのまま塗って頂いたのです。
今回ビスのところどうするか随分悩みました。

1.ビスをはめたまま塗装するか
2.ビスなしで塗装するか

ビスなしだと塗装してもビス締めると塗装が割れる。ビスはめたままだとビス外すとき塗装が割れる。一緒やん!ビスやめとこ。

ええんかな?鈴鹿さんに電話しようかな?伊勢のまっちゃんに電話しようかな?

まぁ、ええわ、塗ってまえ〜!
伊勢のまっちゃんからアドバイス頂きました。

「ネジは少し緩めで締めといて乾燥する前に少し緩めて、浮かしてあげればOKですよ。」

さすがプロのアドバイスでした。私がこのアドバイスを読んだのは、思いっきりビスなしで塗った後でした。良い子の皆さんは真似しないでね。

アッパークランク上部の腐食がひどかったのです。ここを重点的に塗装するプランを立てました。

うまく行くかな〜・・。
さてさて、このオキツモの耐熱スプレーちゃんは、様々な缶ペンを体験してきましたが、優等生でございます。

塗りすぎても垂れることなく、まんべんなく塗料が載る。

こりゃいい感じ。
おおぉ〜!ええ感じです。

これは綺麗に塗れそうね。
プ〜〜ン

コラァ!蚊よって来んな〜!
前方も見えるところだけ綺麗に(爆)
この辺りは見えないので薄くあっさりと。

やっぱりせめてダミーのビスくらいはめておいたほうが良かったかなぁ。
アートエンジニアリングさんに修復していただいた跡は特に厚く塗り、もう解りません。
ジェネカバー真上のくぼみもよく水が溜まるところ。

ここも多く塗りました。
ぺりぺりぺり〜っ!

私、せっかちなんです。

すぐ剥がしちゃう。

おおぉ〜!

うまいこと行ってますやん〜!!
こちらもうまい事行きました。嬉しい♪
うーん。100点かな?
あかん!調子こいてはやく剥がしすぎた〜!
まぁ・・いいか〜。
ゼファー400のパルシングローター一式を装着するため、大きくザグられたクランクケースの図。
修復跡が素晴らしいな。こういうの好きです。
16:49 作業終了。

結局オキツモ缶は一本ジャストで終了。

しかし、何だか疲れました。
伊勢のまっちゃんから

「エンジンの塗装はあまり厚く塗っちゃダメですよ。得にボアアップするのならね!」

というアドバイスを頂いたのは塗り終わった後でした。もう機関車八右衛門みたいに塗っちゃった後だったのです。

放熱性の問題なのですね。なるほどな〜。

こうして塗装作業は終わりました。
残すプロセスは

8.ゼファー400エンジン割り
9.足りないパーツ揃え
10.腰下組み付け
11.ボーリング
12.スリーブ打ち換え
13.シリンダ&ピストン装着(塗装も悩んでいる)
14.GPz400Fヘッド装着(バルブ抜くかどうか悩んでいる)

となりました。ワイセコへの道は相当長い。
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