2012年1月8日 8:00 いよいよPOSHシリンダー装着の日はやってきました。朝起きるとリビングからあえぎ声が聞こえてきました。

これは縁起がいい・。


んな訳あるかっ! 
鈴鹿さんがお見えになる9:30まで準備を。

愛姫ちゃん引っ張り出しましたが・・とても寒い。
天気がいいから気持ちきもちいいけれど。

出来る事はなるべく済ましておこうと段取りを開始しました。
前回難儀したので、今回はまた新しくアルミ版を用意。

ベストな長さはこの位と予測。

9:30 鈴鹿さんがお見えになりました。

「まっちゃーん!頑張ってるね!しかし寒いな〜。」

「今日はありがとうね!」

「何やっとんの?」
「このシリンダのゴムが取れなくてね〜。」

「どれどれ貸してみぃ・」

スポッ。何が違うのでしょうね。気合?技?
10:00 早速シリンダー取り付け作業開始。

「しかしあのネットの方はよく考えましたね〜。」

「そやね〜。感心しましたわ〜。参考にしましょう。」
10:40 「うぉ〜!嵌りましたな〜。」

「いい感じですね。」

全てのピストンがPOSHシリンダーに収まりました。

何と手際のよい作業でしょう。やっぱりすごいなぁ。
昨晩切り取ったベースガスケットもしっかり装着。

いい感じです。
11:14 ヘッドガスケットを乗せました。新品のガスケットは何と綺麗なことか。
ようやくここまで来たという感じでした。

「まっちゃん、何うっとりしとんの〜!上死点までクランク廻してみてよ。」

「そやった。うっとりしてる場合やないなぁ。」
Tマーク、4番上死点であわせてみる。

確かにハイコンプピストンですが、奥まっているし、全然余裕な感じがしました。
「まっちゃーん!ほな、綺麗にしたGPのヘッド載っけようか〜。」

「そうしましょう・・。」
11:42 ヘッドを取り付けました。とりあえずゆるいトルクで。
「まっちゃん、GPのヘッドかっこいいね♪」

「鈴鹿さん、結構バルブ抜いたり磨いたり組んだり、今回のヘッドは大変やったな〜。それだけに愛着沸いてなぁ・・。今回私なりには最高のヘッドだと思うんさ〜。」

「そうやろなぁ、楽しみやなぁ。ちょっと締めずに載っけてみよう。こんな感じになるのかぁ。シルバーシリンダに、ブラックヘッド、まっちゃん、こういうの好きやな〜。てっきりシリンダは赤色に塗るものかと思ってたよ。」
12:28 「鈴鹿さん、そろそろ締めるわ。サービスマニュアル通りのトルクで締め付けるね。」

「最初1.5で、2回目に2.3にしてみない。」

「そうするわ。3年前ミツトモさんのガレージで、軽く締め付けたらクランク廻ったのに、規定トルクで締め付けたらクランク廻らなかったんさな〜。」

さて廻してみよう。
ガコンッ!

!!!!

「久々の感触やなぁ。」

「マジでかいな〜。しかし、うまい事いかんなぁ・・。」
「まっちゃん、Z400GPやGPz400Fヘッドよりも、ゼファー400ヘッドのほうが間違いなく燃焼室が大きいんやに・・。現に、まっちゃんはこのPOSHシリンダ&ゼファー400ヘッドで走ってたじゃない。ゼファー400エンジンバラしたとき、ピストンはどうだった?今より出てた?」

「鈴鹿さん、その通り。これがその時の画像ですが、今と同じ位なんです。」
12:50 その後燃焼室の寸法などの計測を行いました。ゼファー400の燃焼室の径は、ZGPやGPz400Fのものよりも広かったのです。深さを計測する事は出来なかったけれど、ゼファー400のヘッドの燃焼室の方が明らかに深い。

「鈴鹿さん、疲れちゃった。ここでお昼にしましょう。」

こうして鈴鹿さんと昼食に出かけました。
あじへいで坦々麺食べながら二人の会話は続きます。

「まっちゃん、GPのヘッドの燃焼室を広げて使おうよ。ここまで来たんだし。バルブガイド打ち換え、燃焼室拡大、要するにバルブの位置を奥まで移動させるんさ。折角だからGPのヘッド使おうよ。」

「そんな事が出来るの?」

「ワシ、鈴鹿だったらそういう専門の店知っとるに。Z400FXにスーパースポーツ車のバルブ組んだ人もおるに。」
「いくら位費用かかるんかな〜?」

「聞いてみよか?」

「いや、直感でぬわわ万円って予感がするな〜。」

「聞いてみないと解からんなぁ。でも折角ZGPヘッドここまで来たんだんだから。」

「ワシ、今日はこの後、ゼファー400ヘッド組んでみる事にするわ。」

「マジでかいな〜。」
「いけるかどうかの情報も何もないけれど、折角ここまで来て作業中断するのももったいないしなぁ。」

「どうしても今日走らせたいんやな〜。」

「ワシの目を見てみ・・。」

「もう解ったわ・・。ゼファー400のヘッドかいな〜。もったいない気もするけどな〜。」
14:28 こうして昼食後、ゼファー400のヘッドが組まれていきました。

「まずはゼファー400ヘッドでクランクが廻るか廻らないか、そこを知りたいんさな。」
14:59 いよいよクランクを廻しました。

クルン・・クルン・・。

キ…(-_-)キ(_- )キ!(- )キッ!( )キタ(. ゚)キタ!( ゚∀)キタ!!( ゚∀゚ )キタ━━━

「鈴鹿さん、行きましたわ。」

「ホンマやなぁ、やっぱり燃焼室が大きかったんだ。」

こうして、バルブタイミングをあわせていきました。
16:10 いよいよエンジン作業が終わりました。

電装パーツを2人で急ピッチでくみ上げていきました。
16:26 いよいよタンクが載りました。

代替エンジンと見た目は同じの愛姫ちゃんのエンジン。

本望ではないはずだ。
16:55 早速エンジンオイルを入れていよいよエンジンをかける。

キュ・・・・カチカチカチ・・。

セルモーターはいつも通り元気に廻らない。

「何や〜、まっちゃん、バッテリー充電してなかったん?」

「いや、そんな事は無いんだけどな。」

嫁さんの車にブースターで接続してエンジンをかける。
キュキュキュキュキュドドドドドドド・・。ドドドーン!

「まっちゃん、行きましたね。クランクからの音は皆無ですね。」

「おしっこちびりですね。ちょっと走ってくるわ。」

ドッドッドッドッ!ボボボッ!フォーーーーン!

家から100メートル地点、最初の直線でスロットルをひねるとフロントが浮きました。

キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!!
Z400FXに乗って初めて浮いた。凄い加速。恐ろしく凄い加速。

シュゴォ〜コッコッコッコッコ〜!バラタタタタタッ!

TMRから聞いた事の無い吸気音。

ボッボッボ・・・・ボ・・・バフッ・・・・・・・・。

エンジン停止(爆)

キュ・・。

セルは全く廻らない。
家から400メートル先で息絶えました。押して帰りました。

「まっちゃん、なかなか帰ってこないから心配したで〜。」

「あーしんどかった・・。久々に押した・・。400メートルで止まった。もうセルは廻らないなぁ。」

そして再び嫁さんの車にブースターで接続してエンジンをかける。

「まっちゃん、ブリーザーから凄い排圧かかってるよ。」
「排圧って?」

「エンジンの内圧さな。ちょっと出すぎかも・・。」

「鈴鹿さんまた新しい単語やなぁ。止まったのはどうしてなんだろう。どうしたらいいのかな。ちょっと一息つくためにも食事に行きましょう。近くにホルモン美味しいところあるんです。食べに行きましょう。」

17:41 こうして鈴鹿さんとホルモン屋さんに到着。

プルルルルル♪

「しばちゃん?私の家?近所のホルモン屋さんにいるからおいで。」
17:48 ガラガラ・・。

「あけましておめでとう!毎度!」

「家に行ったら、エンジン出来てましたね〜。ゼファーエンジンになってました(爆)」

「代替去ってまた代替ですね(爆)ちょっと走ったんだけど止まっちゃってね。これからどうしようか鈴鹿さんと相談してたんです。」

「いろいろあるんですね。」
「まっちゃん、加速はどうだった?」

「鈴鹿さん、速かったね。ありがとうね。やっとここまで来たけどね。停まっちゃったのが心配ね。」

「ところで排圧高いといかんの?」

「いかん事は無いと思うけどな。CB750とかも結構出てる。でもあれだけ出るのは心配かな?」
「まだ夜も更けてないから、食事が終わったらもう一回エンジンかけてみましょう。」

「でもクランクからの音は全く無かったね。おめでとう。」

「部屋で頑張ってきた甲斐がありましたね。排圧の件を抜きにしたら、何とか成功ね。本当によかった。」

こうして3人でホルモンを満喫しました。
19:38 家に帰ってもう一度ブースターで接続してエンジンをかけました。やっぱり煙というか生ガスっぽい霧状のものがブリーザーホースからかなり出ていました。

「鈴鹿さん、これはやっぱり・・。」

「そやね・・。何かあるね・・。かなり出てますからね。」

「ちょっと尋常じゃないな〜。何なんでしょうね。明日もう一度明るいところで見てみますね。」
素晴らしい加速を得て400メートルは走った。セルも廻らない。ブリーザーからたくさんの煙が出る。この時点で全く原因は解からなかった。

折角クランクからの異音は収まったのに、あともう少しのところなのに、とてもブルーになりました。

何と言っても鈴鹿さんに朝から出向いてもらって、柴ちゃんも陣中見舞いに名古屋から来てもらったのに、申し訳なくて仕方が無かった。
19:49 この日の作業を終了しました。

「鈴鹿さん、今日はありがとうね。」

「いやいや〜。こちらでも何か情報をつかんでおきますね。まっちゃん、そんなに落ち込まないで。着実に前に進んでますやん。最後はきっとうまく行くから。」

「ありがとう。柴ちゃんもありがとう。」

「いえいえ。元気出してください。」

こうして二人とお別れしました。
2012年1月9日 9:56 昨日の作業の疲れもいえないまま、朝からエンジンをかけました。メッサ煙が出ていました。エンジン回転数に比例してこの煙が出ました。近所は夜のヒットスタジオみたいな煙に包まれました。
冷たくて、指で触ると霧状のオイルでした。オイル窓からオイルを見ると真っ白になってきていました。

オイルを抜きました。オイルは乳化して大量の泡で真っ白になっていました。何かがおかしい。でも何がおかしいのか解からなかった。

クランクメタルがガジってるとそこで摩擦が生じ、オイルが沸騰してオイルが気化してブリーザーから煙が出るという情報も得ました。

カムプラグが焼きついてそこで摩擦が生じ、オイルが沸騰してオイルが気化してブリーザーから煙が出るという情報も得ました。
それでもキャブセッティングなどで治るかもしれない、オイル交換したら直るかもしれないとこの日はいろいろ調整はしました。

でも改善されなかった・・。

POSHエンジンからPOSHシリンダとピストンを抜き、友人に手伝ってもらってこの煙・・。

全てを失ったような気がしました。
ここでまた腰を痛めてしまいました。

いつも肝心なときに・・。
Z400FX TOPへ  NEXT STAGE

Copyright (C) 2006 MDS matsusaki denki sho-kai. All rights reserved.