2010年6月4日 stage129でご一緒したCB400SF乗り★会社の部長さまが話しかけてこられた。 「まっちゃん、明日土曜日大台に行きたいんだけど・・。」 「大台?大台フォレストピアとか、気持ちのいいところですよ。道もいいし。行きましょう!ご一緒します。朝7:30に私の自宅を出発でいいですか〜。」 という会話は、その日の晩夜遅くまで飲んでいて(爆)すっかり忘れていました。 |
朝7:30ジャストに部長さまが我が家に到着。 ピンポーン! 「まっちゃん、おはよう〜。」 「・・・・・・・・。げっ!」 「はははは、寝てたな〜。」 「す・・すいません(謝)今から準備します。」 みたいな。 |
「部長さま、何ですか?その地図わぁ・?10枚はありますよね。」 「大台ケ原まで行く地図です。」 「大台まで行くのに地図要らないし・・・42号線一本ですよ。すぐに帰ってこれますよ。ん・・?大台ケ原?ちょっと見せて頂けますか?」 大台と大台ケ原。当たり前だけれど場所が違う。 地図で見るとちょっとしか違わない。これがこのあと大きな失敗を招く結果となるのでした。 大台は松阪抜けて30分ほどですが、大台ケ原は166で高見抜けて伊勢街道-県道16を南下して、国栖から県道262を下り国道169を熊野方面へ、新伯母谷トンネル手前を県道40に入り大台ケ原?メッサややこしそう。まぁ、いいっかあという感じでとりあえず出発。 |
「あ・・昨日の飲み会で駅に車置きっぱです、車取りに行きたいんですけど、部長のCB400SFで2ケツでいいですか?」 「私は構いませんよ。」 ということで駅の駐車場まで2ケツで走る。 フィーーーーン!フィーーーーン! 「なんじゃ〜、この乗りやすいバイクわぁ。」 ミッションチェンジはZ400FXの20倍は軽い。クラッチも30倍は軽い。そして車重は後ろに部長さま乗せていても確実に軽く感じました。その前にこういう部下をもって部長さま大変〜。みたいな。 そうして車を取りに行き、いざ出発。 |
8:19 近所のスタンドでガソリンを満タンにしました。 「部長〜。ガソリン入れなくていいの?」 「私は満タンにしたから大丈夫。」 「CB400SFって燃費どうなのです?」 「20超えるかな?」 人の燃費の心配している前に、私のリッター15位なのでちょっとハズかった。 |
8:42 嬉野県道147を国道166を目指してひた走る。 |
8:50 国道166に合流。 部長さま、気持ちよく走っていますね。 |
国道166松阪に近いところはこんな感じなんですよね。 |
9:07 粥見のコンビニで休憩。 「まっちゃん、今日は車も少ないからいいね。」 「そーですね〜。国道166はこれから奥に行くと、さらに車は少なくなりますよ。次は山林舎で休憩です。」 「了解!」 部長さまは国道166は初めてだったので、空気のおいしさ、景色の綺麗さに酔いしれているご様子でした。山林舎で休憩しました。 |
「まっちゃん、アイドリングがひくいんさな・・。」 「調整しましょうか?」 「出来るの?まっちゃんはバイク屋みたいだ。」 「Kawasakiのマシンなら結構難しいこともあると思いますが、ホンダ車だからきっと簡単なところにあるはずですよ。うーん、あった。ここだ。」 ブロッロッロッロ・・ブロロロロロロ・・・・。 「あ・いいね〜。ここですね。ありがとう。」 「こんなのでいいのですか。」 「いいね。素晴らしい。」 CB400SFのアイドリング調整はキャブの下、グローブを外してても回せるような位置にありました。Kawasakiなら恐らく大ヤケド(爆) |
「もうちょっとで高見のループに入ります。」 「高見のループ・・?」 「とっても綺麗なんですよ。」 そして高見のループを通過。後で聞いたことですが、部長さまは殆ど風景を堪能出来なかったらしい。 飛ばしすぎ。 |
10:19 高見トンネルを過ぎて木津。このあたりで地図を確認しました。 「部長、どこに入るのでしたっけ・・。」 「まっちゃん、県道16号線って書いてあるね。」 「もうちょっと先みたいですね。行きましょう。」 |
10:22 国道166を右に曲がり伊勢街道は県道16に入りました。 意外と近いけれど、初めての道。 ひょっとしてStage65二度目の四国上陸★讃岐うどん堪能ツーで走っているかも知れないけれど、夜中だったから記憶にない。 |
県道16も結構緑が多くて気持ちのいい道でした。 |
10:35 県道16と県道262のT字交差点になる国栖に到着。 「部長、ちょっと休憩しましょう・・。」 「まっちゃん、これをまっすぐ行くと、熊野に抜ける国道169に抜けますね。」 「そうですか。ここへ来て部長お持ちの地図が重要になってきました(爆)」 |
国栖。古い街並。いい感じです。 |
ここで10分ほど休憩しました。 |
10:50 県道262に入ります。吉野川沿いを走ります。この吉野川はやがて和歌山の方面に流れて紀ノ川となるらしい。 俺はバスガイドかっ! |
東川辺りを通過。とても景色が綺麗なところでした。 |
10:52 国道169号(東熊野街道)に合流。この国道169は橿原(大和八木)から熊野まで続くいにしえの道。 |
国道169に入ると今までの道とは大きく違い、道も広くなって綺麗。 車もメッサ通る。奈良から熊野までの重要な生活道路なんですね。 |
10:54 次第に大滝ダムが見えてきました。 |
吊橋とかすごく大きくてきれい。 |
この日は部長と一緒だったから、ゆっくりと。景色もよく見れたし、いい感じでした。 インチキレーシングのツーならこうはいかない・・・。 橋あったなぁ〜という感じ。 |
途中、ループ橋が出てきました。ここをグル〜っと回ります。回ると山のトンネルに入っていく。プラレールもレイダースも天空の城ラピュタも真っ青って感じ。 ここの施工は大変だったろうなぁ。R169は相当お金かかってます 何だか本当に気持ちよかった。 |
部長さまもとても気持ちよさそうに走っていました。 |
地図でいうところ、ここです。 昔は右の白い道が国道169だったのでしょうね。 |
11:18 一ヶ山トンネルを通過。 |
11:32 新伯母谷トンネル手前を右に県道40に入りました。 この道は大台ケ原ドライブウェイという名前でしたが、写真のとおり、メッサ細い道。 走っていて解ることはどんどん高度を上げていくと言うこと。途中で耳が痛くなって何度もつばを飲みました。 |
11:52 もう30分は走り続けていました。大台ケ原ドライブウェイは走れども走れども駐車場に着かず。恐らく距離的に10〜20キロはあるものと思われる。 |
雲が近くなってきました。 標高はかなり上がってきている様子。 |
11:55 途中、工事中につき、交差信号が現れました。信号の残り時間は5分と表示されている。 「部長、あと5分ありますから休憩しましょう。」 「まっちゃん、この道、いつになったら、たどり着けるのかな?って感じですね。」 「かれこれ30分は走り続けていますよ。結構距離ありますね。」 |
「あ〜疲れちゃった。」 そうして、2人ともバイクを離れて・・。 |
景色を眺めていました(爆) |
「ま〜なんと綺麗な景色ね。」 「テナントにしたいくらいですね。」 「まっちゃん、テナントって今まだあるの?」 「はははは。あるでしょう。新京極と金比羅さんで見ましたよ。」 |
「しかし本当に綺麗ですね。あんまり見たことないかも知れませんね。」 「紀伊半島って、半端ないくらい大きいのですよね。」 そうして駐車場を目指しました。 |
12:10 いよいよ大台ケ原駐車場に到着。 「部長、大台ケ原ドライブウェイ長かったですね〜。」 「本当はここから登山らしいけど。」 「ここから登山だなんて考えられないです。そしてこの車の多さ。いつ着てたのかな?」 |
「私達が遅かったんじゃないかな?」 「こんな車の数とバイクが既にいるわけですからね。」 |
「お昼にしましょうか?どこが美味しいのかな。」 |
「部長〜、か・観光バスもたくさん来てますよ。」 「どうやって上がってきたんでしょう。トイレあちらしかないなぁ。」 「あちらで食事しましょう。」 |
途中大台ケ原の看板を見つけました。 |
尾根伝いに登山コースの数々。 トイレで 【この人登山に行ったきり帰ってきません・探しています(涙)】のポスターの数々を見たとき、ちょっとおしっこちびりそうになりました。 |
こんな大きな駐車場があったなんて。大型の観光バスもいる。 |
驚くことは、これだけ車来てても人がいないこと。 はっ・・・皆さん登山目当てなんだ。 バイクで2人ここに来るまでに既に疲れているので、そんな事を改めて感じて変な気持ちになっていました。 |
12:31 1日限定20食のスペシャル親子丼を食べました。 「部長、これメッサ美味しいですね。」 「うんうん。さすが1日限定だけある。」 「おふたりさん〜ドコからきたの〜。」 |
振り向くと、この辺りに詳しい地元のおじさまが話しかけてきました。 「松阪から来たんです。」 「松阪から?遠くからお疲れさんです。166から来たのですか?」 「そうなんです。」 「おふたりさん〜、あの山の頂上に登るとね〜。まー尾鷲から何から海が見えて綺麗なんですよ。」 「じつはここって海まで近いんですか?」 |
「早朝には雲海が、天気のいい日は海が、冬は運が良ければ富士山も見える。」 「そうなんですか〜。すると尾鷲まで結構近かったり?」 「166からお見えなら、帰りは尾鷲に抜ける道で帰るといいかもです。」 「部長、帰りは尾鷲から国道42に抜けて帰りましょうか?」 「そのほうが近そうですね。ここまでで相当疲れちゃったから、そうしましょう。」 |
「おじさん、結構観光バスとか来てますよね。皆さんあの細い大台ケ原ドライブウェイ走ってくるのですか?」 「一番大きいタイプの観光バスもくるよ。先週は茨城から女性運転手でね。すれ違ったら大変ですよ。GWとかは駐車場が一杯で、道路に車を停めだすんです。」 「そうなんですか。金曜日の御囲地町のサウナみたいですね〜。おじさん、今日はどうもありがとう。」 |
こうして後で見ても大台ケ原から海は近い。しかし肝心なことは、尾鷲まで近くに見えても、そこまでの道が残酷な道(日本三大酷道)とはこの時ふたりとも知らなかったのです。 |
「部長殿、そろそろ帰りましょうか。」 「ご飯も食べたし、今から帰ったら4時位には帰れるかな。」 「結構早く着くと思いますよ。」 |
2輪駐車場へ向かうと、FZ250FAZERが停まっていました。 懐かしいなぁ。 今でもこういった今ではほとんど見ないマシンを大切にされている方がいるのだ。もの凄く綺麗で、以前針テラスで出逢ったRZ250と同じオーラが出ていました。 1986年位じゃなかったかな。FZ750と同じGENESISエンジンで斜め45度にシリンダが傾いていました。SUPER QUARTERというふれこみだったなぁ。本当に素晴らしいマシンに出会いました。 |
13:03 いよいよ出発。 |
13:32 大台ケ原ドライブウェイを一気に下り、新伯母谷トンネル手前を右に曲がる。 これを左に、来た道を素直にチョイスしていれば、悲惨な結果を招くことはなかったのです。 |
国道169を上北山方面に向かいました。 |
途中右に曲がると天川309という看板が見えてきました。こういう道はどこに行くのでしょうね。まだまだ知らない道たくさんあります。 |
13:53 道の駅 吉野路上北山に到着。 「部長、喉が渇きました。ちょっと休憩しましょう。」 「まだ尾鷲の看板出てこないね・・。」 「全然見ないですね。不思議ですね。」 |
「もう1時間経ちましたけど、すすっと尾鷲まで抜けるものと思っていましたが、まだ尾鷲の看板を見ないのが不思議ですね。」 「そのうち出てくるでしょう。」 |
14:19 いよいよ下北山村も終点にさしかかりました。 |
14:24 遂に国道425の入り口にさしかかる。 「部長、左が尾鷲みたいですよ。」 「あ〜やっと尾鷲ですね。」 |
あと10キロも走れば尾鷲かも・・と思っていました。地理的に言っても、あの駐車場のおじさんの話から言ってももう既に1時間半走っているから2人ともそう考えていたのでした。 |
上の写真の奥を拡大したのですが、この時道路標識には尾鷲47キロという看板を見逃していたのだ。 |
14:26 国道425に入ってすぐ、池原ダムの真上を走る。 「部長、ここで休憩しましょう。」 |
「あ〜、気持ちいいね。」 |
「ダムの上の道が国道なんてありえませんね。」 「本当ですね。」 |
「これ、こちら側ダムで水一杯ですけど、反対側強力に深いですよ。あ・・・あかんオチンチン縮みますね。」 |
「これ決壊したら、あの家の人たちひとたまりもないなぁ。」 「本当ですね。ところであの家までどうやって行くのでしょうね。」 そんな会話の中、出発しました。 |
14:46 ダムから走り続けて20分が経過しました。 行けども行けども風景は変わらず・・・・。 右側は山で、左側ダムの池。 |
クネクネクネクネ、低速な道が永遠と続きます。 Z400FXはずっと4速で、低速トルクをかけながら走り続けました。 行けども行けども風景は変わらず・・・・。 右側は山で、左側ダムの池。もういやや〜。 |
いったい、どこまで続くのだろう、そう思いながら走っていましたが、セパハンでこらえた腕が、棒のようになってくる。 腕も痛い。 行けども行けども風景は変わらず・・・・。 右側は山で、左側ダムの池。もう勘弁してください。 |
15:08 意識がもうろうとしてきました。土曜日の昼というのに、永遠と走っているのに、すれ違う車は一台もない。 ときに、こういう吊り橋が現れてくる。 |
それでも、めげずに、尾鷲に着くことを目標で走り続けました。 |
もう・・・見飽きてしまった。このダムの風景。 だんだん、心が折れてきました。 |
のどが渇いてきました。でも自動販売機もない。今度自動販売機見つけたら、いっぱい水分とろう・・・。とひとり考えていました。 バイクでツーリング中に自動販売機を求め探したことないな。 これ一種の遭難?みたいな。 そこまで心が折れていたのです。 |
なんやねん、このトンネル〜!どう考えても国道ではない。 |
15:37 国道425に入って1時間10分後、ようやく自動販売機を発見。 「部長、やっと自動販売機出てきました。休憩しましょう。もうダメですわ。私、腕が上がらないです。」 「私も、手が痛くてどうしようもない。ここでちょっと休みましょう。」 「あの、駐車場のおじさん、本当にこの道の。事言ってたのかなぁ。」 「多分、169で熊野まで抜けるのじゃないかな?だって走っても走ってもこんな道、誰もお勧めしないからね。」 |
「あのおじさん、ひょっとしてこの道の普及委員会の委員長なのかな?」 「はははは。そうかもね。誰も走っていなかったね。」 そうしてまた走り始めました。 そこから、またまた20分は走り続けました。 |
15:54 ようやく尾鷲市街が見えてきました。国道425に入ってから45キロ、90分は走っていました。 市街地を見たとき、ウミガメの産卵のように自然と涙が出ていました。 |
15:58 ようやく尾鷲市街に出ました。午後4時に家に着くはずが、午後4時に尾鷲に出ているというこの誤算。 国道425号。恐るべし道をようやく抜けた瞬間でした。 車や街並や人が新鮮。本当にそう思いました。 |
松阪や大台の看板が見えてきました。 「私はこの大台と間違えていたのか・・・。」 そう思うと、大台と大台ケ原の違いの大きさを認めざるを得なかった。 ってMDSのStage、こういうツー多すぎ。 |
16:10 紀伊長島マンボウを次の休憩場所にして、ひた走りました。 |
16:20 もう、腕や腰も言うことを聞かない状態でした。家から出て走行距離が300キロを超えていました。 |
16:41 道の駅マンボウに到着しました。 「部長、部長〜っ!」 「・・・・・・。何かな。」 「部長、だいぶお疲れですね。」 「まっちゃん、あなたはまだ42歳。私60歳超えていますからね。」 「ちょっとゆっくりしてから帰りましょうね。」 |
17:15 松阪方面目指して帰りました。 尾鷲から松阪ってこんなに遠いのかと思いました。 午前中の国道166の風景が、ずいぶんと前の出来事に思えて仕方なかった。 |
17:39 佐奈のサークルKで休憩。 「まっちゃん、次の休憩場所はどこなの?」 「部長、もう私の家まですぐですよ。私の家でゆっくり休んでいってくださいね(爆)」 「もうお風呂に入って寝たいなぁ。」 |
「はははは。お気持ちはわかります。ちょっときつかったですね、今回のツーリングは。いつもやってしまうけど、いつまで経ってもマップル積まずに失敗ばっかりしてますからね。凝りないんですよね。」 「今日の道は地図で見たら近いんじゃないかな。地図ではわからないな。情報ですね、大切なのは情報。」 部長さまも、今日の駐車場のアドバイスで帰路を変更したことを随分と悔やんでみえるようでした。 |
18:25 我が家に到着。 「部長さん、父ちゃん、お疲れさま〜。今日はどこに行ってきたの?」 「大台間違いで大台ケ原(爆)」 「大台ケ原?あんなに遠いところまで?」 嫁さんも知っていた。子供の頃にお父さんに連れて行ってもらっていたらしい。知らなかったのはひょっとして私だけ?だったのかっ? 夏至に近いこの季節だから、まだまだ明るいけれど、冬だったら真っ暗な時刻。 「まっちゃん、またね〜。」 部長さまは、疲れた表情でお帰りになりました。 |
明後日の月曜日朝、部長さまが教えてくださいました。 「まっちゃん、国道425って日本3大酷道(こくどう)なんだって(爆)」 「あとふたつあるのですね。」 |
「はっはっは。さすがまっちゃんだ。前向きなコメントですね。でも今から思うと楽しかったですよ。」 「あとふたつ、行きましょうか?」 「遠慮しときます。ツーリングで手にマメが出来たの初めてだ。」 部長さま、やっぱり楽しくなかったのかなぁ・・。 |
ちなみにウィキペディアによると日本3大酷道とは、 酷道418号(岐阜県) |
酷道439号(徳島県〜高知県) そして、今回の酷道425号(紀伊半島)のようである。 皆さんどうですかぁ。 |
Z400FX TOPへ NEXT STAGE |
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