2008年8月9日作業32日目。今回のプロジェクトもいよいよエンジンにプロセスを移すことになりました。この日は、ミツトモさんのお店で伝説の、エンジニア先生がおみえになる日だったのです。

「はじめまして、エンジニア先生!まっちゃん★三重と申しますっ!」

「この軽トラにエンジンを載せてくれるか?」

「はい。」

「先生!エンジンをどうされるのでしょうか?」
「今からスチームかけに行きます。基本的にスタッドボルトに着く砂、埃を綺麗に取り去る。これらを落としておけば、クランクに不純物が入ることはない。かなり有効的な手段。これをしないとエンジンハバラく事は出来ないと言っても過言ではないな。」

「・・・・・・・。」

エンジニア先生のお言葉に、固まってしまった。
ブファーーーーーー!!

強力なスチームでエンジンはピカピカになって行きました。
洗浄の後、ミツトモさんのガレージでヘッドの分解が始まりました。
凄まじいスピードでヘッドが外されていきました。
そしてシリンダー。

「さぁ、上げますよ」

「は、はい。」
ズコッ!

こうしてシリンダも外されていきました。
Stage20・・2005年10月から30000キロは走っただろうか。ピストンにこびりついたカーボンを見て25000キロでこんなになるのか・・と思いました。
続いて8月6日にブラストをかけたZ400GPエンジンヘッドのバルブ擦り合わせを行うため、バルブ解体作業が始まりました。
バルブコンプレッサーでバルブを1本1本抜いていきました。
ところが、どうしてもEXの3番のバルブが抜けない。

「このベースエンジン、程度はよくないな。バルブが全て抜けにくい。これはどうしようもないなぁ」

この日の作業はここで終了しました。
2008年8月10日作業33日目。

バルブを抜きました。
ちょっと無理をして抜きました。

けれど、バルブガイドを割ってしまった。

写真の亀裂が・・。

やってしまった。
もうZ000FXのエンジンはバラしてしまった後だった。

「ミツトモさん、もうZ000FXヘッドに戻すしかないかな。」

「Z400GPヘッドにするために、新品パッキン類は届いたばかりですしね。戻すのも何だか気が引けますね。元に戻すとしても、ただ戻すのではなく、とりあえず戻すと考えてみる。時間をかけてこのGPヘッドのバルブガイドを打ち換えて、新品のバルブを入れて擦り合わせをして、ポー研し、虎視眈々とヘッドを組むプランを模索してはいかがでしょう。シリンダ以下の塗装もしてあるからヘッド交換のリスクは少ないですしね。協力しますから元気だしてーさ。」

「・・・・・。」

言葉は出なかった。
「とりあえず元に戻して先を考えるかな。」

そう決めかけていた時、沼津アキヤマ先生と今回の話をしました。

「まっちゃん、実は別に組もうとして取り寄せたGPz400Fのヘッドがここにあるんです。折角ここまで来たんだからやりましょうよ、だってキャブのホルダーからヘッドガスケットから、バルブシールから何もかも用意したんでしょ。だって思い切ってここまで来たんだから。こんな機会はそうこないもの。だからやりましょうよ。盆開けになるけど送付しますよ。」

「すまんのう・・・・。」

一日で何度も言葉を詰まらせた。こうして、Z400GPヘッド換装プランは急転回していきました。
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