ミツトモさんから譲っていただくカムシャフトを含めたヘッド一式はGPz400Fのものではなく、Z400GPに載っていたものだと解りました。Z400GPは48PS、GPz400Fは51PS。この3PSの差は、ショートストローク化(52×47→55×42)、カムシャフトやキャブレター、ピストンやエキゾースポートなど、吸排気系の全面的な見直しにより出されたものだと聞いていました。

正直、私はそんなことはどうでもよくて、Z400FXとZ400GPの走りの違いに注目していたんです。

それは、FX-43PSとGP-48PSという5PSの差だけではない、GPは当時鈴鹿4時間耐久でフルカウルで参戦する並み居る競合たちに、アプハンとビキニカウルだけで優勝しちゃうあの速さと力強さ・・。
Stage1でも書いたけど(ちゃんとつながってるやん)生きもののようなエンジンフィール。単なるカタログデータならまだしも、私の場合、双方オーナーとして体感しているから余計にあの差が解るんです。20歳の頃、名阪国道の上り坂で、パワー不足を感じたことなど一度もなかったですから。1982年、26年前のKawasaki進化の過程を体感できるのかと思うとちょっとおしっこちびりそうなものがありました。

Z400GPとZ400FXのヘッドの違いはスピゴットと接合するキャブレターホルダーの大きさが違うことは沼津のアキヤマ先生から聞いていました。Z400FXのヘッドと比較してホルダーのビスとビスの間隔が広いから、FXのものははめることが出来ないとのこと。
実際にGPのヘッドにFXのホルダーを乗っけると、10ミリほどビスの位置が違うことが解ります。

確かめていないけど、これは吸気ポートの大きさも相当違うと思いました。
なので写真のホルダーとクランプの注文をしました。
ヘッドカバーではガスケットのみ。
ヘッドではサイドの三日月型のプラグカムシャフト、スタッドボルト、ガスケットヘッドシリンダー、バルブステムシールをお願いしました。

あとは、シリンダーを赤に塗るため、ピストンリングもお願いしました。
一方、PMCさんにテーパーベアリングをお願いしました。テーパーベアリングは左の表が全て共通とわかりました。Z1・Z2も一緒だったんですね。
2008年7月30日作業27日目。テーパーベアリングが届きました。早速打ち換えて頂く事になりました。
もともとのリングを抜くところから始まります。抜くのも結構大変なのですね。
下側も綺麗に入れていただきました。
次にステム側にテーパーベアリングを入れる作業を開始。

すんなりスポッと入るものと思っていましたが、この位置でストップ。
そこで専用工具を取り出してはめ込んで頂くことになりました。
そこからの作業はプレスで。

「プッスンー」


一発ではまって行きました。
素晴らしい出来栄えに。もうボールベアリングがバラけることも無い。そう思うと嬉しくてたまりませんでした(そうバラく事は無いんですけども。)
速攻でフレームに装着しました。動きを見る。スムーズでメッサいい感じ。ベアリングが減ってもガタつかない仕組みもよく解りました。
レッドに塗ってから着けたくて仕方がなかったフロントフォークを装着しました。長い間フレームだけの状態を見てきたので、フォークを着けただけでもバイクらしく見えてたりして。
このままじっと眺めていました。フロントフォーク目立ちすぎ。
2008年8月2日作業28日目。いよいよホイール装着の日がやってきました。
フロントフォークから装着を始めました。赤のショックブーツに、赤のホイールはとてもいい感じ。この写真だけを見ていると、アメリカンみたいです。
仮でリアホイールも装着しました。
2008年8月3日作業29日目。この日はフロントキャリパーの組み付けを行いました。キャリパーには顔が映っていました。パッキンをはめてピストンを入れてダストブーツをはめて行きます。
クロームメッキに出していたキャリパーサポートにはめて行きます。
そしてフロントキャリパーを装着しました。ビスのクロームメッキが輝きすぎ。素晴らしい出来栄えになりました。
かつてのキャリパーがこれですから、嘘のような出来栄えです。
2008年8月6日作業30日目。いよいよエンジンの段取りに入りました。ガムテープを貼り、ブラストを当てます。
このZ400GPのヘッドにブラストを当てるのにどれだけの時間を有しただろうか。気の遠くなるような作業。本当に辛かったです。でも、このヘッドをつけたい・・という気持ちだけでブラストを当て続けていました。

次第にヘッドは銀色に輝いてゆく。そして写真のようにZ400LTDのエンジンのようになって行きました。
そしてこの日、クロームメッキに出していたパーツ(第二陣)が到着しました。
早速、フロント右側のキャリパーも装着することに。
この日はミツトモさんにお願いするのではなく、自分でやってみました。アピタ、ユーホームで購入したメッサ安いパッキンの登場!
おー!!サイズもバッチリじゃわい。
あ・・あかん。ボルトが刺さらん。
「まーしかし、世話のやける人ですなぁ・・。」

結局ミツトモさんにお願いしとるがな。
そして、右側のキャリパーも無事装着。
この時点で、嬉しがりの私はタンクを載せ、シミュレーションを開始。
この写真のとおりに仕上がっている。Z400FXは実は嘘のように尻下がりなんですよ。今までが上がりすぎだったのかな。写真を見て、車高をくまなくチェックしていました。
現在の高さからするとベストなので、エンジンを載せた時どうなるのか・・。いろんな事を考えていました。

ケツ上げキットはあれど、ケツ下げキットは無いんです。そう考えると目の前も明るくなると言うもの。
ショックブーツの赤は、まっちゃんのFX、警察24時で見たで〜!とか、チャンプロードに投稿すれば〜!とか様々なご意見を頂きましたが、私になりに、リミテッドで存在する、Kawasaki純正色として、いいチョイスだったと思っています。

40のオッサンが選択するカラーかどうかは、しらない。

でも、写真を見る限りでは、アリだと思う。
2008年8月7日作業31日目。CIBIEライトを装着して、完成型のシミュレーションを行いました。
うわ〜。なんや、グロテスクです。
ちょうどその頃、ミツトモさんのFXも、リアスプロケを36丁に変更するところでした。
Z400FXにZXR400の足廻り。リア17インチでは、38丁では到底走らすことはできまい。36丁なら私と同じギアレシオ。しかし、ミツトモさんのFXはクロスミッションを組んでいるので、6速はどうなるのか全くの未知数なのでした。

「まっちゃん、慣らしまであと100キロなんさな。」

「天理ラーメンでも食べに行こうか?」

「イコイコ!」

なんじゃい、この会話と決断力は。
ということで、ミツトモさんの軽トラに、私と、マーヤンさんと2人乗り、天理を目指してひた走る事に。時既に21時19分。

こんなシチュエーションおかしいやん!
この時間の名阪国道はまさに地獄。トラックしかおれへんがな!かつて初めて四国に行った際にこの時間帯で名阪国道を走っている自分を思い出していました。トラックしかいない。夏なのに寒い。風景も寒い。こんな感触をひとり思い出していました。
22時28分。いよいよ天理に到着。
22時30分。彩華ラーメンを発見しました。
「これですか〜、天理ラーメンというのは・・・。」

「まっちゃんさん、知らなかったの?屋台やで、メッサ美味いで〜。」

「そんなの知りまへんがな〜。」

「津にチェーン店で、天理スタミナラーメンってあるでしょ、それとよく似ていますよ。ようは豚キムチラーメンのあっさり版です」

「なるほど・・・。」
実際は、これは反則やん〜!という味でした。

私、こういうの美味すぎで駄目です。
麺もツルツルしていました。サイコーの味でした。

ミツトモさんのFX?

忘れていました(爆)
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