2008年6月27日作業11日目。ホイール塗装を行うためマスキング作業がスタートします。
「まっちゃんさん、リムの部分は塗装後すぐにマスキングテープを剥がさないといけないから、一度水色のテープを外に逃がしてから、内側の黄色のテープを入念に貼ってください。」
「すぐに剥がしちゃうんですか?」
「そうなんです。塗料が乾いた後に剥がすと、ベリベリになるんです。だから柔らかいうちにね。」
そうこうしているうちに、人の話を聞かない私は、黄色のテープが下にきていた。
「まっちゃんさん、人の話、全然聞いていないじゃないですかぁ・。」
「なんやった?」
みたいな。
40を超えると人の話聞けないのかな?なんて。
大変だったのが、このキャストホイールのスポーク?のところ。
テープを貼り、カッターで綺麗に要らない部分を切り取る。これがまた大変なんです。Z400FXのホイールは7本。だから1本のホイールで14箇所もある。

「ミツトモさん、これ、しんどいなぁ・・。」
「思ったより大変な作業でしょ。」
「全然進まないし・・。」
「はははは。でも、多分まっちゃんさんがこの先FX乗っている間に1回のことだから入念にしてくださいね。」
「ふぅ・・。これ、7本もするのえらいで、Z400GPのホイールにしようかなぁ。」
「またぁ、何言ってんだか・・。」
カッターで切る作業。あまりにうまく出来ないのを見かねてミツトモさんが見に来た。私がすると、なかなか切れないけど、ミツトモさんがするとスーッと切れる。
「ちょっと〜、何で〜・・。何でなん?」
「はさみで紙を切る時の刃の角度を想像してみてください。互いの刃の角度。」
「ホイールを刃にたとえる・・さすがでござるなぁ・・。」
「それ、誰の真似ですか?」
「一休さんのしんえもんさんの真似。」
「はっ!乗せられて1本させられたっ。残りは自分でしてくださいよっ!」
作業11日目はこの作業だけで終わってしまった。それ程時間のかかる作業だったのです。
2008年6月28日作業12日目。いよいよ本編、今回のカスタムの目玉であるフロントショックブーツの塗装の日がやってきました。6月23日にたんまり汚れたフォークブーツを磨いていたことは前述で書きましたが、ついにオールコートミツトモさんのお店にお伺いしてはじめてのウレタン塗装の日なのでした。

「ミツトモさん、綺麗になるかなぁ?」
「失礼しちゃいますね〜!。でもここまでバラバラにしておいて、塗装が下手だったら落ち込みますよね〜(爆)」
「6月1日に本宮山カレーうどんツーに出かけたとき、ミツトモさんのZRX1100のショックブーツを見て、おしっこちびりそうでしたから信じていますよ。」
「あんなに綺麗にはしませんけど。」
「何で?」
「あれは自分のですから(爆)」

そんな会話の中、ショックブーツはブースに運ばれていきました。
今回のカスタムのイメージは、アダチさんからBBSに書き込みのあったこの画像であることは前編に書きました。いざとなると不安にあるもの。

「ミツトモさんは正直赤ショックブーツはどう思う?」

「ボクはね、実は今回のお仕事をお受けしたときに、まっちゃんさんはどんなイメージ持っているか気になっていたんです。確かにショックブーツ赤って聞いたときはびっくりしたけど、頭の中ですぐにイメージが沸いて、それいいなあと思いましたよ。当時のコンセプトなら、リミテッドとして実在していた色を選択する。無い色はオリジナルから離れますから、無い色だったら反対したと思います。それと、黒ならただの塗りなおしですしね。どこに出したって同じことです。」

「なるほどなぁ・・。」

「・・・・これ、まっちゃんさんの話しているんですよっ!」

「そうやった。」

みたいな会話の中、ウレタンの艶具合の打ち合わせに。
「旧車の雰囲気を出すのなら、すこし艶は押さることも出来ます。」
「ピッカピカにしてください。」
「・・・・。ピッカピカ?ですけど・・。ピッカピカって、艶出しまくりのテッカテカの事?」
「そう。テッカテカ・・。」
「旧車のイメージ出るかなぁ・・。」
「昔から、テッカテカが好きなんですよ。4年間、テッカテカにしたかった。だから顔映るくらいテッカテカにしてください。」
「わかりました。まっちゃんさんがそういうのなら、こちらも気合入れてテッカテカにするか。」

そうして、ウレタン塗装のテーマは【顔映るくらいテッカテカ】に決定していきました。
いよいよ塗装は始まろうとしていました。
いよいよサフェイサーの塗装がはじまりました。
すばらしい手際の良さ。あっという間に1本塗られていきます。
そうこうしているうちに、2本仕上がりました。
磨いていた時にたくさんあった細かな傷は皆無に。これは期待できそう。
その後、すかさず赤塗装がスタート。赤色はKawasakiファイアークラッカーレッドがベース色となりました。
「うわぁ・・。ミツトモさん、赤ですやん。」

「クリア吹くまでに決めてくださいね(汗)・・・。」
そして、2本とも塗装が終了しました。
そうしているうちに、クリア塗装。

「まっちゃんさん見てみて・・。」

「うわぁ、顔映ってますよ〜。」
そうしてショックブーツ赤の塗装は終了しました。
携帯電話のカメラだからイマイチだけど、実際はもっともっと輝いていました。
この日の作業は夜遅くまで。日付は変わっていました。
6月29日作業13日目。マスキングテープが剥がされて、ダストブーツをはめた画像。

さて、イメージは出来ているが、実際にはめる日まで、楽しみです。
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