4年前、2004年の4月にZ400FXというバイクを買って、エンジン、足廻り、ブレーキ、吸気系と、紆余曲折しながらもカスタムを続けることが出来ました。本当にこの4年間は素晴らしいバイクライフを満喫出来たと思います。けれども、絶対的なパワーを誇る大型モンスターマシンたちとツーに出かける度に、私の愛姫は全開が続いていました。これは当たり前の事なんですけども、認めざるを得ない現実・・・。2008年6月1日、本宮山カレーうどんツーでミツトモさんと別れ際、コンビニの駐車場でそんな話をしていました。
「正直大型に行こうかな・・と考えることもありますよ・・。」
「ダメですよ・。まっちゃんさんはFXじゃなきゃ・・。フェックスだからこうしてお知り合いになれた。全国のFX乗りが、私も含めて、もうみんな楽しみに見てる。だからもっと行かないと。サポートしますから・・。」
「外装お願いしていいですか?」
「・・・・・・。」
全く噛み合わない発言に、ミツトモさんは言葉を詰まらせていた(爆)

「今、7000から10000までの間で走らせているんです。10000以上廻らなくて・・。後ろから見てて忙しくシフトチェンジしてるでしょ。ヨシムラのハイカムかGPz400Fのカムがあればもう少し廻るのになぁ・・とよく思いますね。」
「GPz400Fのエンジンのストックが倉庫にあったと思うんです。ヘッド使用してみますか?」
「やってみますっ!」


こうしてZ400FX外装レストア&EGチューンプロジェクトは幕を開けることになりました。
2008年6月7日。ステップワゴンに代車のモンキーとベースのパーツ、ケミカル用品たちを積んでミツトモさんのガレージにお伺いしました。早速、今回のプロジェクトの打ち合わせを・・。

★★★プロジェクトプラン内容★★★

@もう1セットある外装をベースに、現在のE4カラーを見本に外装オリジナル塗装。
Aフレーム補強。
Bフレーム、ホイール、ショックブーツ、その他パーツ全塗装。
Cミツトモさん所有のGPz400Fエンジンヘッドをポート拡大し換装。

以上、壮大なプロジェクトプラン・・。でも、時間がかかってもいいから、出来る限りミツトモさんのガレージにお伺いして、自分で出来るところは全て自分で作業をする、そう決意したのでした。Z400FXを購入して4年。待ちにまった瞬間でした。
全体的な色のイメージは写真のような感じに・・。ショックブーツの赤は賛否両論なんだけど私、結構こういうの好きだったりして(汗)

コンセプト?E3のE4カラー、少しだけリミテッド意識、その他ゼファー(爆)

この写真は、リアE4ホイールフロントE3ホイールだったり、本当に私のマシンに似ています。いい参考になりました。
早速作業にかかりました。塗装ベースのタンクはへこみは無いけど、錆が非常に多く、塗る前に錆取り&これ以上錆が進まないように内面コートをしておいたほうが得策と言うことで、その日、まずは錆とりからスタートすることになりました。

WAKO'Sのピカタンをタンクに放り込みホースで水を入れて行く。その威力はすぐに解りました。みるみるうちに、タンク入り口周辺の錆が取れて、銀色に輝いていきました。

タンクにホースで水を入れることは、多分この先も体験しないだろうな・・。
水をタンクいっぱい入れたところで、コックからポタポタ水が漏れている。

「まっちゃんさん、これヤバいですよ・・。」
「もう一回抜きますわ・・。」

そして満タンに入れたばかり液を抜いて、タンクをひっくり返した時、ごっつい量の錆の塊がバケツに沢山・・。

「沢山出ましたね〜。」
「このタンク・穴が開く寸前だったりして・・。」
漏れたコックを、シリコングリスで固めて、もう一度液を満タンにしました。タンクをそのままにしておき、ミツトモさん所有のエンジンをステップラゴンに積んで、もう一度家に帰り、Z400FXで再びガレージに来ました。

私って40歳の割には、結構元気なのかも・・。
ファイアークラッカーレッド、ルミナスガンブルー、2つ並んだタンクを見ていて、これから先どんな作業が待ち受けているんだろうと、そればかり考えていました。
錆でボロボロになったフレームを改めて見ました。買った時から錆が酷かった、そこから手をつけていないから仕方が無いですね。あんな走りをしていて、クラックが無いほうがおかしい。多分あるかな。見えないだけで。
「ミツトモさん、こんなボロボロのフレームだけど、綺麗になりますかね?」
「うち、一応塗装屋ですから(汗)」
「そうでした〜。明日、子供たち連れてタンクの続きをしに来ますね。」
「はい、お待ちしています。」
こうしてガレージを後にしました。モンキーでの帰り道、壮大なプランを胸にワクワクしていました。それと、モンキーで通うのには片道40分程かかる事が解りました。

車で通えばいいのに〜。
家に帰り、GPz400Fのエンジンを降ろしました。ガレージで改めて眺めました。

オールブラックボディ、角ばったフィン、ヘッドのDOHCの刻印。

これがKawasaki空冷400最強のエンジンなんだ・・と何度も感激していました。
カムだけ探していたところに、ヘッドまでゲットする事が出来るなんて・・。

車検時に、ラパイドの大将もお勧めしていたハイカム化。中身の程度が心配でした。早速ヘッドを外しました。
綺麗だ。これがハイカムなんだ〜。と一人眺めては装着する日を楽しみにしていました。
スタッドボルトもとても綺麗でした。この日はずっとZ400FXがいなくなったガレージでGPz400Fのエンジンを隅から隅まで観察していました。


Z400FXのヘッドでタコメータのワイヤーがついていた場所に、閉じてはあるけど痕跡、名残がある。1からの設計ではない、Z400FXエンジンをベースとしてチューンしているところに感動していました。
アキヤマ先生が言っていたように、スピゴットのネジ位置が合わない事も確認しました。素人目に見ても、吸気ポートの穴がZ400FXのものに比べて大きい。

これは期待できるかも・・。
この日は実際のエンジンを眺めていたり、ネットでGPz400Fのエンジンを眺めていたりであまり眠れなかった。
2008年6月8日作業2日目。その日は子供達を連れてミツトモさんのガレージまで行きました。WAKO'Sピカタンは一晩経つとタンクの中身は商品名のとおりピカタンク(喜)
説明書に【中性洗剤でしっかりとピカタン成分を洗い流すべし】と書いてあったので、これまた人の家のママレモンだけに入れすぎて(爆)、ママレモン取る方が時間かかるという結果に(汗)
しかも人の家のガレージ泡だらけにした。(写真1)ブルパパさんちの駐車場をブレーキフルードまみれにした日を思い出した。
そのうち、WAKOSタンクライナーに付属の注射器に娘が目をつけ、水鉄砲遊びが始まった。気がつくと、これまた人の家のガレージを水浸しにしている。
「ミツトモさんごめんなさいね。」
「い・いえいえいいんですよ。」
多分、納車前の車にかけやしないかと心配だったに違いない。恐るべし松崎親子。
といいつつ、和歌奈〜!もっと水入れやんか〜!と娘に感化されているという(爆)

恐るべし親バカ。
タンクの中のピカタン成分を綺麗に洗い流したけど、乾かすのに時間がかかる。

「ミツトモさん、どうしましょう?」

「エアガンで飛ばしますわ。」

プッシュー!

一発で水滴は弾き飛ばされていきました。
「あとは、これで水分を飛ばしましょう!」

す、すげぇ!何でもあるんだわ。

秀樹★感激!
「父ちゃ〜ん。あれ、何なん?」

「日焼けサロンやで、近づくとガングロになるでぇ〜!」

「まっちゃんさん、あれは紫外線は出ませんから・・」

「はい・・。すいません。」

ミツトモさんはあまりギャグを言わないお方と見た(爆)
タンクの中身はあっという間に乾きました。

その後、WAKOSのタンクライナーに硬化液を混ぜていきました。
タンクに注入後、マスキングテープでしっかり蓋をして・・。

さて、振るぞー!!
「うおりゃぁ!村西監督じゃ〜!」
このギャグには誰も反応が無かった(親失格)
ゆっくり振らないといけないのでした。早く振りすぎてタンクライナー液が隅々まで廻っていない事に気づき、抜き取った液をもう一度入れる始末。
無事作業は終了しました。
「まっちゃんさんブラストしてみましょうか・・。」

「ブラストって、塗装をめくるやつですか?」

「はい、そうです。」

そして、早速、GPz400Fエンジンのヘッドカバーをブラストすることになりました。
今までペイントリムーバーでしか体験していなかったのですが、こんなになるなんて。
まるで、でんじろう先生の実験のようでした。

あの機械は、ぶっちゃけ、欲しい♪

でも剥がすだけではダメなんだな。塗らないとね。
2008年6月9日作業3日目。仕事が終わると、家でご飯を食べてすぐに、モンキーでミツトモさんのガレージに直行しました。
「こんばんわ〜。ところで何してますの?」
「Z400FXのタンクの板金ですわ〜。」

ミツトモさんは大事にとっておいたストックのタンクに椅子が乗っかっていてへこんでいたので(爆)板金をしていました。
へこんだところに電気で棒を引っ付けて、引っぱり出していました。

「なるべくパテが要らないように、綺麗に引っ張り出しているんですよ〜。」

「大変そうですね〜。しかし、便利な機械があるんですね〜。」

「うち、一応塗装屋ですから(汗)」
えぐりの深いへこみも、綺麗に引っ張り出していました。
さて、私のタンクもタンクライナーを入れて一夜置いた状態で中身を見てみると・・。

「ミツトモさん、メッサいい感じになってますやん!」

「さすがWAKO'Sですね、本当に綺麗です。」

「ヤフオクで売ってしまった以前のタンクは中身白でしたけど、これは銀でいいですね。」

「うんうん、銀の方がいいですね〜。」
そうして、22:34。いよいよボディパーツの分解が始まりました。

「とにかく、フレームのブラストが行えるようになるまで、外せるものは全て外してください。工具は自由に使って頂いて結構ですから。」
「工具無くなるかもしれませんね〜。うふふ♪」
「全てスナップオンだから、まっちゃんさんの工具と混じってもすぐに解りますよ♪」
「ポケットに入れてもかん?」
「・・・・・・・。」
今まで4年間、自分でいろいろとイジって来たので、どのネジが何パイとか頭に入っていることもあって、分解作業は速く進みました。
「じーっと見ていたんですけど、結構イジっていますね〜。というよりよくここまでしてこられたというか・・。」
「もうstage多分これで85ですからね。」
「オイル抜きましょう。オイルクーラーも全て外してください。」
「全部バラすのですね・・。」
「まっちゃんさんが、外でブラストをかける、その時に邪魔になると思われるもの全て外してください。」
「そういうことか〜!」
「そういうことです。」

40歳にもなると、人のいう事を聞かないというか、理解したがらないというか、理解するのに解りやすく説明してもらわないと時間がかかるというか、結局は人の話を聴いていなんですけど〜。

しかも、オイル抜いてもらっているし(爆)
中村君から受け継いだCRも外されていきました。
「だいぶ出来ましたね〜。」

「スーツ来たままするもんじゃないわ、オイルまみれですわ〜(爆)」

「本当だ!まっちゃんさんスーツじゃないですか・・。」

みたいな。
夜も更けてきたので作業を終了しました。これだけの骨組みになったというのに、Z400FXは押すと重い・・。エンジンかな、重心かな、ホイールなのかな。本当に無骨なバイクです。改めてそう思いました。
「ところで、ガレージの隅に置いてあるスカッシュが気になって仕方がないんです」

「乗ってみますか?」

「いいの?」
プルトトトットトトオットオトトトト・・!。

チャンバーからいい音がしていました。

DIOのエンジンに載せ換えてあるらしい。

メッサ太いタイヤ。素晴らしいセンス・・・。

フルスロットルにして、死ぬような加速を体験しました。
時計を見ると1:30・・・。

本当に楽しいひとときは時間が経つのを忘れてしまうものです。
それからガレージをあとにしました。家に着いたのは2:30を廻っていました。

平日、明日会社だと言うのに・・。

Z400FX外装レストア&EGチューンプロジェクトはまだはじまったばかり。帰り道、この先の長さを想像しながらモンキー君を走らせていました。
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