10月28日の中村君の事故は同郷FX乗りの私にとって大きな衝撃でした。体が無事だったと聞き本当に本当に良かった・・。入院しなくてよかったらしく、自宅で静養中とのこと。早速お見舞いに・・。FXはまだ引き取っていなかったけど、事故の状況を聞き、改めて怪我が無くてよかったと思いました。中村君のトラ君はもう治らない事も聞きました。正直突然廃車の事実は受け入れたくなかったです。
次に中村君の相棒になるZ1フルノーマル車両がガレージに置いてありました。普通なら愛情を注いだ相棒を失ったことで精神的にかなりブルーになるところ。そういった意味でも新しい相棒が手元にあることで気持ち的にはいいだろうと思いました。9月28日にFX2台で四国上陸を果たし、ちょうど1ヶ月後の事故。もうFX2台で併走することは無いんだな、と少し寂しくもありました。
「まっちゃんさん、事故でCRキャブはエンジンごと後ろに押されてファンネル潰れていますけど、もし良かったらトラ君の意思を受け継いで欲しいんです・・。」

「ヤフオクで売ればいいじゃない?結構な値段になると思うよ。」

「どうしても知っている人に使ってもらいたいんです。つけて走っているところ、この先も見ていきたいんです。まっちゃんさん是非お願いします。是非・・。」

正直なところ、苦渋の選択でした。でも、中村君の意思ならと引き受けることにしました。こうして1ヶ月前に一緒に四国の道を走った中村君の相棒トラ君からCRは受け継ぐことになりました。
いよいよ移植開始。このBITO製のCR用アルミファンネルの形状を見て事故のすさまじさを知りました。エンジンごと、大きく後ろに後退して、ファンネルがリアアンダーフレームに刺さっていました。アルミだから柔らかいと思えるのですけど、肉厚が厚くて非常に硬いパーツなんです。それがここまで変形している。そしてビスを外して本体から外そうとするも筺体自体が歪んでいてキャブから決して離れようとしない・・。水道用ペンチを出して、ねじりながら思いっきり力を入れて、グリッと音を立てながら取り外しました。
そして、Z000FX純正キャブ、エアクリーナーボックスが外されていきます。
エンジン積み替え時にラパイドさんでOH済みなので、内部は非常に綺麗。ガソリンは一滴残らず絞り出され保管されていきました。
こうして2007年11月15日3:00、中村君のトラ君についていたCRキャブは私の愛姫に移植されました。実はモンキーのキャブを交換したとき、エンジンをかけるもキャブ内部がフルスロットル状態になっていて(何でかな〜)夜中に家の前で爆音を響かせ嫁さんにメッサ叱られたことがある。もっと面白いことにヤバいと思った瞬間とっさにクラッチを繋げてしまい、ウイリーがさらにウイリーを呼び、寝る私の上に逆さまになったモンキーがいた(大爆)。そんな事もあって、どんな事になるかわからないので近くのコンビニまで押していきエンジンをかける。キュルルル・・グワーン!ド・ド・ド・ド・ド・何やグワーンて。何やド・ド・ド・ド・ド・て。
モリワキショート管の穴から出る空気の量がまるで違うんです。今まではモリワキショート管(JMCA)の穴が小さいから、アイドリングではピヨピヨ♪←(これ本当)言っていたのに、キャブ交換だけでド・ド・ド・ド・ド・って大型バイクの様な音を立てている・・。

夜中だったんですけど、ちょっと乗ってみた。

シュゴゴゴーーコーーーーグワァン!

うわぁ、低速でこんな音するんや・・。ちょっと廻してみよ・・。
コ・コーーーシュボボボボボゥン・・。

何ですか!急にフルスロにするとエンジン止まりそうになるし。

今度は雑巾を絞るようにスロットルをあけてみる。ここから凄まじい光景を見ることになる。

コ・コーーーシュボバーーーーーーーーーーーーーン!
スターウォーズのハンソロ船長の乗るファルコン号のような加速。体が置いていかれるような感触を憶えました。6000回転から10000回転まで一瞬。風景は別世界になりました。
でも、あくまでも中村君★トラ君の400ccセッティングのままでした。高速から減速して止まると必ずエンジンもストップしたり、アクセルワイヤーの位置も図のようにどの穴に差せばいいかも解らないし、まだまだ情報をたくさん集めてやらなければならない事もたくさんありました。
セッティングを出すにはマフラーを決めないと・・。と、2日後にモリワキショート管は外されていきます。形も音も速さもいいのですけど、ひょっとしてZ000FXノーマルキャブであれだけ吹けの違いを見せたモナカマフラーだったらどんな事になるのかなぁという期待もあったんです。
こうして2007年11月17日、モナカマフラーを装着して、走りに行きました。

コ・コ・ココーーバーーーーーーーーーーーン!

もう無茶苦茶です。吸気音なのか排気音なのかさっぱり解らず、飛ぶような加速と、気がつくと時速ぬわわキロになっていて、直線なのに大きな周期でふらふらするバイク。

こんなのはバイクではない。
といいつつ、その面白さに魅せられ、次の日早朝から走り続けました。相変わらず、走ってからの停車時にエンジンも止まる。でも高回転域でのパワーの虜になっていました。高速道路に向かいました。料金所を過ぎて合流のカーブに差しかかります。ここでスロットルを明けてパワーバンドに・。

ズルッ・・・・ズルズルッ・・・ズルー・・・。


あ・あかん、リアタイヤが限界だ・・。こういうのをパワースライドとは言えまい。むしろウイークリアスライドフォーストロングパワーという(大爆)
その後、ラパイドさんに。

「大将、どうでしょう・・。」

「そうですね〜。セッティングが000エンジンにあっていないのは間違いないでしょう・・。」

ラパイドの大将によるマイナスドライバーセッティングで、信号で止まる現象はなくなりました。ジェット類はそのままで、様子を見ることに。

これだけ加速したら何も要らない気もしていました。
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