ある日、仕事中にふと思ったことがありました。今まで強引につけてきたゼファー400のコイルを交換するのではなく、全てゼファー400にしたらどうなのだろうかと。しかもポイントカバーもオイルパンも共通なエンジンなのであれば、ポイントも付くかもしれない・・と。で会社の帰りにいつもの解体屋ジョージ君のお店に寄りました。
「ジョージ君、ゼファー400のポイントの写真撮らせて・。」
「ローターの事っスか?ところでまっちゃんさん、今度は何するんスか?」
「秘密!」
みたいな。

暗闇の中、携帯のカメラで撮りまくりました。家でよーく見てみると、ほとんど勝算はありませんでした。まず、クランクケースのポイント収納箇所が機械式のポイントやガバナ一式を入れるのと、パルシングローターが入るのでは形状が全く違うからです。上の写真のものが入れば何とかなるのかな・・という程度の感触でした。
いろいろ悩んでいても仕方がないので、ゼファー400の電装総移植をしようと決めました。Z400FX関連のホームぺージでゼファー400の電装移植をしている人がいたからです。いろいろ悩むのはいやだし、やり始めて駄目だったらしょうがないし、まずとりあえずやってみよう、それで駄目ならまた違う方法を考えようと決めました。
2006年1月21日。朝から嫁さんのお父さんに軽トラックを借りに飯南町まで行きました。お父さん曰く
「今度は何をするの?」
「大手術ですっ!」なんて・・。すぐさまいつもの解体屋さんにゼファー400ドナーをとりにi行きました。かなりの旧車○仕様なのでモザイクを(爆)ドナーは2台。ここから程度の良い内臓を抜きとる事になります。
夕方には軽トラックを返しに行かねばならない・・。慌ててオペを開始しました。ドナーを降ろそうとしましたが、降ろせば積まなければならない。そんな時間もないから、ドナーを軽トラックに乗せたままオペを開始。サービスマニュアルで調べるとゼファーC6であることが判明・・。なかなか程度もいい。これなら、うまくいくと確信しました。

ところで、軽トラックには400ccのバイクが2台乗るんですよ。それまで知らなかったけど。
タンクを外すと、いよいよ大動脈が見えてきました。写真のようにハーネスを巻くテープにかなり埃がたまっているけど、でもすこしめくってみると綺麗な配線が・・・。これはなかなかいい感じだと次々に部品を取り外していきました。
一番大事なのは、配線色の確認です。デジカメでおさえながら、サービスマニュアル通りか確認をしつつ、チェックをしていきます。
コイルもそのまま取り外します。見た目は汚いけど、磨けば光るもの。各ランプ類も配線を切らずに大切に外していきます。一番大変だったのはオルタネータのマグネット・・。ハンマーで叩き倒して取った事を覚えています。
こうして、ゼファー400C6電装一式・メインハーネス、メインスイッチ、左右スイッチ、オルタネータ一式、レギュレータ、イグナイタ、ヒューズボックス、パルシングコイル、ローター、リアブレーキセンサー、スタータマグネット、ウィンカーリレーが取り外されました。
軽トラックを返しに行き、家のガレージに戻りました。それより仕事が終わるとコツコツとZ400FXに電装移植をしていきます。数ヶ月前に全て張り替えたハーネス。外していく度にむなしさが残りました。
「いんやー、この自作配線も2ヶ月足らずだったなぁ。」
ゼファー400のメインハーネスをつける前に、周辺の部品を付けていきます。さすがにゼファー400のオルタネーターマグネットはかろうじて取れたけど、Z400FXのマグネットは固くて苦心しました。なんだかんだで2日がかりで取りました。

一番面倒だったのはメインスイッチの配線。Z400FX-E3の電送図とゼファー400の電送図を毎晩眺めてはカプラーでテレコに配線。この線をここに繋げて・・うーん。とテスターを片手にかなり格闘しました。
Z400FX用DYNA-Sと、ゼファー400パルシングコイル。ゼファー400のパルシングコイルだけはさすがに装着不能。せっかくここまで来たのに。

早速嫁さんのお父さんにまたまた電話を・・・。

「お父さん、また軽トラックを貸して欲しいんですけど・・。」
「今度は何をするの・・。」
「病人の輸送です。」
「よく病気になるねぇ・・。」

ここからはラパイドさんにおまかせすることになりました。クランクケースの内部をかなり削ったり、いろいろと大変だったようです。愛車を大切にされる方にはお勧め出来ない加工ですね。
Z400FX-E4のポイント一式もしくは、Z系で多大なる信頼を得るDDYNA2000など時間と費用をかけることが出来たなら、こんな荒削りな加工をせずに済むのかもしれません。ただ、私の場合は、長距離も走るし、もう電装で悩むのに疲れていました。

軽トラで運ばれていくZ400FX・・。移植の間、エンジンもずいぶんかけていない。不思議と修理中はエンジンの音が聞きたくなるんですよね。

こうして、ゼファー400の電装移植はなんとか終わりに近づいていました。
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