いよいよ自作ガレージも完成し、バイクも入れたとなると、本当のところは夢のような話で嬉しくなるのでしょうけど・・私の場合はそうではありませんでした。
写真のとおりよーく見てみると(よーく見ないでも)あまりにも程度の悪い愛姫を見ていてかなりブルーになりました。きちんとしたバイク屋さんで買わなかったですからね(悲)

自分でも解ってた事なんだけど、見ていて随分と先が長いことに気づきはじめていました。メーターカバーもブレーキマスターもフロントフォークも、フレームも、鉄で出来た部品、アルミというパーツ、何もかもが腐食していました。

タンクやサイドカバーの綺麗さだけに惑わされて買っちまった!・・とひとり後悔していました。
フロントブレーキマスターもご覧のとおり・・。

「ねー・・ヒロシ、粉雪が降り積もってとっても綺麗♪」

って・・・

ラブラブなスキー場かっ!
ポイントカバーも写真のように腐っていました。どのくらいの年月と、どのような過程を経て、こうなったんだろうかと疑問に思いました。

KawasakiかSUZUKIかも解らないし(爆)

実は古銭も集めていたりするけど、江戸時代の硬貨の方が綺麗だったりする(爆)

このポイントカバーは今、灰皿になってます(大爆)
リアブレーキステップ廻り。ご覧のとおり、アイアンな部品は全てオレンジ色に変色・・。

ショップではとりあえず車検を入れて、バッテリーを充電して引渡し・・という感じでした。

リアのブレーキセンサーも、一度踏めば、元に戻ることが出来ませんでした。こんな状態で車検を通すのだからかなり腕のあるお店と見たっ・・なんてね。
リアサスは本当に綺麗に全体的にサビが廻っていました。サスというより・・・バネ。

沈み込ませると、その反動で跳ね返ってくるという感じ。


あ・・あかんやん〜。
極めつけはキャブ。見た目だけ綺麗にしてあるだけで、定期的な間隔でおしっこのようにガソリンが漏れてくる始末・・。出るときは出る、止まるときは止まる。意味がわからない。

キャブを外して蓋を開けた瞬間、すぐに閉じました。10年程掃除をしていない水洗トイレのタンクのように、ガソリンのオリが鍾乳洞のようになって成長していました。フロートもろくに動いていません。バルブのパッキンも大阪城の屋根のような不思議な緑色をしていました。CRCキャブクリーナーを5本くらい買ってきて、プラケースに池のように溜めて洗うけど、パーツ自体が逝かれていれば、磨けど同じこと。
フレームもかなり赤く、エンジンのフィンは白くなり、マフラーのボルトもご覧のように曲がっていました。

鉄パイプを刺して方向を修正・・・。

ピキッ!

お、折れそうやん〜。

みたいな。
キャブを外すとインシュレーターがひび割れを起こしていました。つまりキャブから吸う空気以外にもたくさん空気を吸っているはず・・。
ヘッド周り。プラグコードを抜こうとする。スポッ!キャップとコードまでちぎれなくていいのに・・(爆)

プラグコードの芯も緑色に腐っていました。何度も抜き差ししているうちに、緩くなり、走行中に勝手に抜けて、自分のひざにスパークし始めた時は、さすがに「あうっ!」電気マッサージ機かい〜!

みたいな(爆)
バッテリー後ろの配線。カプラーを外すと写真のとおり焦げていました。セルを廻すたびに何か焦げた臭いがしました。配線もどうも焼けたり剥けたりで怪しい・・。E3だから1981年製。20数年の歳月だからまぁ仕方ないか・・とあきらめムード。

バッテリーの+極の赤いカバーが焦げて穴が開いていました。Z400FXのシートベースは鉄なので万が一ショートしたらバイクガス爆発!

非常に危険。慌ててゴムテープで補強をしました。
フロントフォークの点錆。これが意外とかなり深くまでえぐれていました。

フルボトムすると、その度にオイルが漏れて、びしょびしょになりました。

その度に拭いている訳ですからいつかはオイルは無くなると思いました。
シートやタンクなど外装は随分綺麗・・。バイクは外装だけでもオール整備されている車両に見えるから不思議です。
それから、会社から帰ると毎晩のように外し、磨き、色を塗りました。メーターカバーも凹んでいる部分を外しては叩き治し、ひたすら塗る。マスターも磨き、塗る。

錆びている部品を見つけては、ペーパーで錆を落とし塗り続けました。今から考えると普通のサラリーマンにとってこんな先の長いディアゴスティーニな毎日も、なかなかいいものでした。

ガレージには写真のようにケミカル用品がずらりと並んでいきます。

CRC556、スプレーグリス、缶ペン、チェーンオイル、キャブクリーナー、ブレーキクリーナーなどなど・・。

そうこうしているうちにいよいよ人差指が腱鞘炎になり動かなくなりました。
自家塗装でしたけれど、メーターカバーなどは鉄製のカバーなので管スプレーのノリもよくていい感じに仕上がっていきました。黒のボディーペンを何本買ったかな。
名車Z400FXだけに、フロント廻りをバラいても、なかなかいい顔しています。

大きなウィンカー、限りなく上につけられているライトなど。
購入後2週間で見違えるように綺麗になっていく愛姫ちゃん・・。

このときはまだ2液ウレタンの存在を知らなかったので、ボディーペンだったので綺麗に仕上げても、ちょっとした、例えばパーツクリーナーなんかでも、ペロリン!とめくれるんです。

この瞬間のショックと言えば言葉では言い表せないんですよね。
Z400FX TOPへ  NEXT STAGE

Copyright (C) 2006 MDS matsusaki denki sho-kai. All rights reserved.